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テントップはどうやって使う? ─イチゴ、ナス、ピーマンに付くアブラムシを防除するテントップの使い方を徹底解説!

はじめに


イチゴ・ナス・ピーマンの施設栽培で発生するアブラムシ――防除が遅れるとウイルス病やすす病で収量が一気に落ちる難敵です。「薬剤を減らしながら確実に抑えたい」という現場の声に応えるのが、飛べないナミテントウ幼虫製剤〈テントップ〉。アブラムシ密度が低い段階から定着して旺盛に捕食し、1頭当たり 4 日で 200 頭以上を食べた試験例もあります。本記事では製品概要から放飼量の目安、効果を最大化する温湿度管理まで、初めての農家さんでも迷わないよう徹底解説します。


こんな方におすすめ

  • イチゴ・ナス・ピーマンなどのアブラムシに悩んでいる

  • テントップの使い方や効果を知りたい

  • 天敵と農薬を上手に併用したい






1. 商品概要



分類

天敵農薬(生物農薬)

主な対象害虫

アブラムシ類(ワタアブラムシ、ヒゲナガアブラムシなど)

使用場面

施設栽培(イチゴ・ナス・ピーマン)発生初期〜低密度期

提供形態

50頭・100頭・200頭(2~3齢幼虫)/ボトル


2. 特長・メリット


2‑1.飛ばないナミテントウで高定着率

  • 遺伝的に飛翔能力を欠く系統を選抜しているため、成虫になっても作物を離れにくい。


2‑2.幅広いアブラムシを旺盛に捕食

  • 25 ℃条件で 2 齢幼虫 1 頭が 4 日間に 200 頭超を捕食した試験例あり。

  • 大型のヒゲナガアブラムシにも有効。


2‑3.有機JAS適合・抵抗性リスクなし

  • 特別栽培に採用しやすく、薬剤抵抗性発達の心配ない。


ポイントBOXコレマンアブラバチとの比較

項目

テントップ(ナミテントウ)

コレトップ(コレマンアブラバチ)

捕食/寄生対象

多種アブラムシを捕食

アブラムシを寄生(ヒゲナガアブラムシ類には寄生しない)

定着性

飛翔不可能なため高い

アブラムシが少ないと定着が難しいが、バンカープランツ併用で個体数維持が可能

行動範囲

散布場所から数m

飛翔可能なため施設全体



3. 導入事例・実証データ


作物名

都道府県/面積

放飼量・時期

結果(写真+数値)

イチゴ

静岡県/施設栽培 30 a

定植3週後0.1頭/1株放飼+10日後追放飼

20日後:アブラムシ定着葉率 12 %→1 %

ピーマン

高知県/施設栽培 20 a

2頭/m²・発生初期

14日後:アブラムシ平均密度 10頭/葉→0.5頭/葉



4. 使い方・適切な散布/設置手順


  1. 準備物:テントップ容器

  2. 放飼量の目安:10~13頭/m²

  3. タイミング:作物ステージを問わず、アブラムシが散見され始めた直後(温度 20–30 ℃が適温)

  4. 手順

    1. ボトルを横向きにして10回ほど回転させ、ボトル内の幼虫密度を均一にする

    2. アブラムシ発生場所の葉に入っている植物片ごと幼虫を放飼

    3. 数日後、放飼した付近のアブラムシ頭数が減少しているか観察

    4. アブラムシの発生量に応じて1週間間隔で追加放飼

  5. 注意点:殺虫剤散布は前後 3–5日避ける


Tip

20–28 ℃・日中 RH 60–80 % を保つと最も捕食速度が上がる。



5. 関連資材との相乗効果


資材

目的

使用タイミング

コレトップ(コレマンアブラバチ)

アブラムシ抑制の補完

発生初期

粘着くん液剤

同じく環境に優しいソフト農薬でバックアップ

発生初期~収穫期

天敵のごちそう(天敵定着促進剤)

初期の天敵定着ブースト

テントップ放飼直前〜2週間


6. FAQ


  • Q1:保管はどのくらい可能?

    • A:到着後 10 ℃前後で最大 3 日。できるだけ当日放飼。


  • Q2:収穫直前でも使えますか?

    • A:有機JAS適合で残留農薬の心配なし。収穫期にも放飼可。


  • Q3:農薬と併用したい場合は?

    • A:テントップに影響の少ないウララDF、チェス顆粒水和剤/ チェス水和剤など使用し、テントップ散布前後は避ける。



7. まとめ


テントップは飛翔しないナミテントウ幼虫だけの革新的IPM資材で、イチゴ・キュウリ・ピーマンなど施設栽培温室内のアブラムシ密度を初期から長期間抑制します。化学殺虫剤散布回数を大幅に減らせるため耐性発生リスクやCMV等ウイルス病伝播を軽減し、葉面残留農薬が少なく出荷ロスと労働コストを同時に削減。定着力が高く高温期でも失活しにくいため栽培後半の再増殖を防ぎ、果実肥大・糖度向上による安定収量アップを実現します。さらに、ナミテントウは在来種で環境リスクが低く、有機JAS資材リストにも掲載済み。テントップは散布が容易なため、狭いビニールハウスでもムラなく処理でき、作業効率も向上します。



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