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ストロビーフロアブルはどうやって使う?─ナス、キュウリ、ピーマンのうどんこ病やすすかび病、黒枯病などを防除するストロビーフロアブルの使い方を徹底解説!

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温室や露地で避けて通れないうどんこ病・べと病・褐斑病・炭疽病・すすかび病・黒枯病

発病が進むと収量・見た目が一気に落ちます。


ストロビーフロアブル(有効成分:クレソキシムメチル/FRACコード11〔ストロビルリン系〕)は、胞子形成を強く抑える予防主体の殺菌剤で、ナス・キュウリ・ピーマンで3000倍収穫前日まで使用、本剤3回以内(成分総使用3回以内)の登録があります。


特にうどんこ病に強く、キュウリではべと病・褐斑病・炭疽病にも適用。適期にローテーション散布すれば、病害の蔓延を効果的にブロックできます。


本記事では希釈倍率・使用時期・対象病害・散布のコツ・注意点(展着剤や耐性管理)まで、現場で迷わないレベルで整理します。


こんな方におすすめ

  • ナス・キュウリ・ピーマンのうどんこ病/べと病/黒枯病/すすかび病に悩んでいる

  • 希釈倍率3000倍・使用時期・回数など具体情報を確認したい

  • FRAC 11の薬剤を安全にローテーション散布へ組み込みたい

1. 商品概要

分類

選択性殺菌剤/ストロビルリン系(FRAC 11)

有効成分

クレソキシムメチル 44.2%(PRTR第1種)

剤型・性状

フロアブル剤(類白色水和性粘稠懸濁液体)

主な対象病害

うどんこ病/(キュウリ)べと病・褐斑病・炭疽病/(ナス)すすかび病/(ピーマン)黒枯病

使用場面

予防散布~発病初期(病斑拡大前のタイミングが要)

登録・使用限度

収穫前日まで/本剤3回以内/成分総使用3回以内(※作物により一部例外あり)

2. ストロビーフロアブルの特長・メリット

2‑1. 予防効果が高い(胞子形成を強く阻害)

発病前~初期の散布で蔓延をブロック。うどんこ病・べと病など、飛散で一気に広がる病害に要。


2‑2. 野菜での適用が広い

キュウリではうどんこ病/べと病/褐斑病/炭疽病ナスうどんこ病/すすかび病ピーマンうどんこ病/黒枯病に登録。


2‑3. ローテーションの軸にしやすい

FRAC 11は予防剤の代表格。FRACの異なる剤(例:FRAC21、7、M02など)と体系防除を組めます。


ポイント

耐性管理FRAC 11は連用・総回数超過が耐性選抜の近道。作期内で本剤(成分)3回以内を厳守し、必ず他系統(FRACコードが違う薬剤)と交互に使いましょう。


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3. ストロビーフロアブルの導入例

作物名/作型

投入目的

投入量・時期

結果・所感

促成キュウリ(ハウス)

うどんこ病・べと病の予防

3000倍、生育初期~開花前に7~10日程度間隔で予防散布(気象・発病リスクで調整)

病斑拡大を抑制し、健全葉率を維持。後半はFRAC21など他系統へ交替。

半促成ナス(ハウス)

うどんこ病・すすかび病の予防

3000倍、株元~下葉の葉裏まで丁寧に。発病初期にスポット散布→全面

乾きムラを減らすと安定。展着剤は強い浸達型を避ける

ピーマン(露地)

うどんこ病・黒枯病の初期対応

3000倍、発病初期に丁寧な全面散布(100–300L/10a)

初動で被害拡大を抑制。以降はFRAC違いへ切替えて耐性対策。

※上表は使い分けの一例です。地域慣行・病勢・被覆・散布機種で最適条件は変わります。


4. ストロビーフロアブルの使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    水和計量カップ、撹拌機能付タンク、ノズル(中~細霧)、保護具。


  2. 希釈倍率:

    基本は3000倍。作物・病害別の登録は下表を参照。


  3. タイミング:

    予防散布~発病初期。連用せず他FRACと交互に。


  4. 手順:

    タンクに所定量の水→本剤→(必要時)弱い付着型の展着剤→所定量まで加水。撹拌しながら調製。葉裏・下葉・株間にも均一に、100~300L/10aを目安に散布。


  5. 注意点:

    浸達性を高めるタイプの展着剤等との混用は薬害の恐れ。高温・乾燥・強日射直前の散布や濃度超過、薬液のかけ過ぎ・溜まりに注意。本剤3回以内/成分総使用3回以内を守る。


ストロビーフロアブルの作物別適用表(2024年11月27日 ラベル準拠, 作物抜粋)

作物名

適用病害名

希釈倍数(散布)

使用液量

使用時期

本剤使用回数(内訳)

成分総使用回数

キュウリ

うどんこ病/べと病/褐斑病/炭疽病

3000倍

100~300L/10a

収穫前日まで

3回以内

3回以内

ナス

うどんこ病/すすかび病

3000倍

100~300L/10a

収穫前日まで

3回以内

3回以内

ピーマン

うどんこ病/黒枯病

3000倍

100~300L/10a

収穫前日まで

3回以内

3回以内

出典:メーカー公開ラベル/農薬登録情報。作物・病害・作型・地域版ラベルで細部が異なる場合があります。最新ラベルを必ずご確認ください。


5. ストロビーフロアブルの関連資材との相乗効果

具体的な商品/資材名

目的

使用タイミング

ランマンフロアブル(シアゾファミド/FRAC21)

べと病のローテーション先(FRAC違い

初期~多発条件で交互散布

カンタスドライフロアブル(ボスカリド/FRAC7)

灰色かび病・菌核病対策を別系統で補強

開花~結実期の発病リスク期

アリエッティC水和剤(ホセチル+キャプタン)

卵菌類病害対策の別作用性

気温・湿度上昇期の予防散布

イオウフロアブル(硫黄/FRAC M02)

うどんこ病保護剤で耐性対策

作期中に要所で差し替え

注意:混用・体系は各剤の最新ラベルで必ず確認。同一FRAC(11)同士の連用は避ける。


6. FAQ

Q1:治療効果はありますか?

A予防主体です。発病初期までの抑制は期待できますが、病斑進展後は除去+他系統の併用を。

Q2:収穫直前でも使えますか?

Aキュウリ・ナス・ピーマンはいずれも収穫前日まで登録があります(本剤3回以内)。

Q3:展着剤は必要?

A基本不要使う場合は付着性重視のマイルドタイプを。浸達性を高める展着剤は薬害リスクがあるため避けます。

Q4:天敵・有用生物への影響は?

A:作物や散布条件で差が出ます。天敵放飼は薬液乾燥後を基本に、影響一覧やSDSを確認してください。

7. まとめ

ストロビーフロアブルは、うどんこ病を中心に野菜の主要病害を予防主体で抑えるFRAC11の柱。

3000倍/収穫前日まで/本剤3回以内というシンプルな登録で、ローテーション散布に組み込みやすいのが強みです。


最新ラベルを確認しつつ、FRAC違いの剤と組み合わせて、作期を通じて健全葉率をキープしましょう。

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