イチゴの葉に穴─原因はヨトウムシ?写真で診断・防除ガイド
- hinatamagawa5j
- 7月7日
- 読了時間: 3分
更新日:7月11日

イチゴ栽培中に葉に不自然な穴を見つけると、病気なのか虫のせいなのか、判断に迷う方も多いでしょう。とくに夜間に活動するヨトウムシは、見つけにくく厄介な害虫です。本記事では、イチゴの葉に穴が開く原因を診断するためのチェックポイント、ヨトウムシの見分け方、防除・予防対策までを写真付きでわかりやすく解説します。被害拡大を防ぐためにも、今すぐ確認しておきましょう。
2. 症状チェック|ヨトウムシによる食害痕の特徴
観察部位 | 初期症状 | 進行症状 |
|---|---|---|
葉 | 小さな食害痕(穴) | 葉脈を残した網目状の穴 |


ポイント:
ヨトウムシは夜間に活動し、昼間は株元や土中に隠れています。葉に不規則な穴があれば、懐中電灯で夜間に確認すると虫体を発見しやすくなります。
3. 考えられる原因(病害虫)一覧
病害虫 | 典型症状との一致度 | 発生時期・地域 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
ヨトウガ(ヨトウムシ) | ★★★ | 北日本では6~9月、西日本・東日本では4~6月と8~11月に発生。北日本で被害が大きい。 | 夜間に葉上や株元に幼虫が確認できる |
ハスモンヨトウ(ヨトウムシ) | ★★☆ | 8~10月に多い。南方系の虫で、西日本・東日本で被害が大きい。 | 葉裏や果房にも被害が出る場合あり |
コガネムシ類 | ★★☆ | 春~秋(露地栽培で顕著) | 葉縁から欠刻状に食べる。日中も成虫が飛来。 |
4. 対策ガイド
4-1. 緊急措置(24時間以内)
食害痕の多い葉は切除して廃棄(圃場外へ)
サンサンネットなどの被覆資材を被せて成虫の侵入、産卵を防ぐ
対応可能な殺虫剤を日没直前~夜間に散布(ヨトウムシの活動時間帯)
4-2. 環境調整(IPMの基礎)
管理項目 | 目安値 | 効果 |
|---|---|---|
温度 | 20~25℃ | 幼虫の活動抑制 |
湿度 | 60~70% | 過湿を避けて密植を防止 |
4-3. 生物的防除
BT剤(ゼンターリ顆粒水和剤、サブリナフロアブルなど)
併用 NG 薬剤リスト:ピレスロイド系(天敵に影響大)。
4-4. 化学的防除
分類 | 有効成分 | 希釈倍率 | 散布適期 |
|---|---|---|---|
プレバソンフロアブル5 | クロラントラニリプロール | 2000倍 | 収穫前日まで |
トルネードエースDF | インドキサカルブ5.0% | 2000倍 | 収穫前日まで |
ディアナSC | スピネトラム11.7% | 2500〜5000倍 | 収穫前日まで |
注意:
登録内容は地域・作型で異なるため、必ず最新のラベルを確認してください。
5. 予防と管理のチェックリスト
☐ 定植前の苗検査(葉に不自然な穴や食害痕がないか)
☐ 夜間パトロール(週1回)による成虫・幼虫確認
☐ 周囲の雑草除去・耕種防除の徹底
6. 失敗しがちなNG例
昼間しか観察しておらず、ヨトウムシを見落とす → 被害が拡大。
散布適期を逃して大型幼虫になる → 薬剤効果が薄れる。
薬剤の連用 → 薬剤抵抗性が発現しやすくなる。
7. FAQ
Q1. ヨトウムシは日中でも見つけられますか?
A. ヨトウムシは夜行性のため、昼間は株元や土壌中に隠れていることが多く、夜間の観察が効果的です。
8. まとめ
イチゴの葉に穴があいた場合、ヨトウムシによる食害の可能性が高く、早期発見と的確な対応が重要です。夜間の確認、緊急処置、薬剤散布の適期を逃さないことが、防除成功の鍵になります。
また、IPMや天敵導入を取り入れることで、薬剤依存を減らし、安定した栽培が可能になります。被害を最小限に抑えるためにも、定期的な観察と記録を習慣化しましょう。








