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イチゴの葉に穴─原因はヨトウムシ?写真で診断・防除ガイド

更新日:7月11日



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イチゴ栽培中に葉に不自然な穴を見つけると、病気なのか虫のせいなのか、判断に迷う方も多いでしょう。とくに夜間に活動するヨトウムシは、見つけにくく厄介な害虫です。本記事では、イチゴの葉に穴が開く原因を診断するためのチェックポイント、ヨトウムシの見分け方、防除・予防対策までを写真付きでわかりやすく解説します。被害拡大を防ぐためにも、今すぐ確認しておきましょう。


2. 症状チェック|ヨトウムシによる食害痕の特徴

観察部位

初期症状

進行症状

小さな食害痕(穴)

葉脈を残した網目状の穴


ヨトウ
ヨトウ

葉上に集まるヨトウムシ
葉上に集まるヨトウムシ
ポイント:

ヨトウムシは夜間に活動し、昼間は株元や土中に隠れています。葉に不規則な穴があれば、懐中電灯で夜間に確認すると虫体を発見しやすくなります。

3. 考えられる原因(病害虫)一覧

病害虫

典型症状との一致度

発生時期・地域

確認ポイント

ヨトウガ(ヨトウムシ)

★★★

北日本では6~9月、西日本・東日本では4~6月と8~11月に発生。北日本で被害が大きい。

夜間に葉上や株元に幼虫が確認できる

ハスモンヨトウ(ヨトウムシ)

★★☆

8~10月に多い。南方系の虫で、西日本・東日本で被害が大きい。

葉裏や果房にも被害が出る場合あり

コガネムシ類

★★☆

春~秋(露地栽培で顕著)

葉縁から欠刻状に食べる。日中も成虫が飛来。

4. 対策ガイド


4-1. 緊急措置(24時間以内)


  • 食害痕の多い葉は切除して廃棄(圃場外へ)

  • サンサンネットなどの被覆資材を被せて成虫の侵入、産卵を防ぐ

  • 対応可能な殺虫剤を日没直前~夜間に散布(ヨトウムシの活動時間帯)


4-2. 環境調整(IPMの基礎)

管理項目

目安値

効果

温度

20~25℃

幼虫の活動抑制

湿度

60~70%

過湿を避けて密植を防止


4-3. 生物的防除


  • BT剤(ゼンターリ顆粒水和剤、サブリナフロアブルなど)

  • 併用 NG 薬剤リストピレスロイド系(天敵に影響大)。




4-4. 化学的防除

分類

有効成分

希釈倍率

散布適期

プレバソンフロアブル5

クロラントラニリプロール

2000倍

収穫前日まで

トルネードエースDF

インドキサカルブ5.0%

2000倍

収穫前日まで

ディアナSC

スピネトラム11.7%

2500〜5000倍

収穫前日まで




注意:

登録内容は地域・作型で異なるため、必ず最新のラベルを確認してください。



5. 予防と管理のチェックリスト


定植前の苗検査(葉に不自然な穴や食害痕がないか)

夜間パトロール(週1回)による成虫・幼虫確認

周囲の雑草除去・耕種防除の徹底



6. 失敗しがちなNG例


  1. 昼間しか観察しておらず、ヨトウムシを見落とす → 被害が拡大。

  2. 散布適期を逃して大型幼虫になる → 薬剤効果が薄れる。

  3. 薬剤の連用 → 薬剤抵抗性が発現しやすくなる。



7. FAQ


Q1. ヨトウムシは日中でも見つけられますか?

A. ヨトウムシは夜行性のため、昼間は株元や土壌中に隠れていることが多く、夜間の観察が効果的です。

8. まとめ


イチゴの葉に穴があいた場合、ヨトウムシによる食害の可能性が高く、早期発見と的確な対応が重要です。夜間の確認、緊急処置、薬剤散布の適期を逃さないことが、防除成功の鍵になります。


また、IPMや天敵導入を取り入れることで、薬剤依存を減らし、安定した栽培が可能になります。被害を最小限に抑えるためにも、定期的な観察と記録を習慣化しましょう。




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