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プレオフロアブルはどうやって使う?─アザミウマやヨトウムシ、オオタバコガを防除するプレオフロアブルの使い方を徹底解説!

更新日:8月25日


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施設野菜や露地野菜で厄介なアザミウマ類・ヨトウムシ類・タバコガ類。被害が進むと収量も品質も下げ、しかも薬剤抵抗性の問題まで絡んできます。


プレオフロアブル(有効成分:ピリダリル)は、これら鱗翅目害虫(ヨトウ・タバコガ)とアザミウマ類に安定して効き、ハナカメムシ・寄生蜂・カブリダニなどの天敵に対する影響が比較的少ないためIPM(総合的病害虫管理)に組み込みやすいのが特長です。


本記事では、適用作物・希釈倍率・使用量・使用時期をわかりやすく整理し、現場での導入例散布のコツまで一気にまとめます。


こんな方におすすめ

  • トマト・ナス・ピーマン・レタス・キャベツ等でアザミウマ/タバコガ/ヨトウムシに悩んでいる

  • プレオフロアブルの効果や適切なタイミングを確認したい

  • 他資材との併用ラベル準拠の適用表をひと目で把握したい

1. 商品概要



分類

選択性殺虫剤(ピリダリル水和剤/UN)

主な対象害虫

アザミウマ類(ミナミキイロアザミウマ等)、ヨトウムシ類(ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ等)、オオタバコガ、ハモグリバエ類 ほか

使用場面

定植直後〜収穫期(害虫初発〜大量発生前)

提供形態

フロアブル剤:100 mL、500 mL、5 L

希釈倍率

1000倍(100〜300 L/10a)

使用回数

イチゴ:年間4回以内/収穫前日まで可 など


2. 特長・メリット


2‑1. 若齢幼虫に高い効果

ヨトウムシ・タバコガ類の若齢期に卓効。圃場試験でも処理後数日で密度を大幅低下。


2‑2. アザミウマ類にも適用

ピーマン等でアザミウマ類に適用。開花期の被害拡大を初期対応で抑制


2‑3. IPM適合

天敵類への影響が比較的少ない報告があり、放飼体系にも組み込みやすい


3. 導入例

作物・栽培形態

面積

散布条件

散布後効果

天敵影響

イチゴ高設栽培(栃木県)

0.3 ha

ハスモンヨトウ初発時に1000倍全面散布

72 h後、幼虫密度 12→1頭/株(92 %減)

ミツバチ巣箱は散布2 h後に再開放し着果率への影響なし

トマト施設栽培 (熊本県)

0.5 ha

オオタバコガ2齢幼虫3頭/株発生時に1000倍散布+スワルスキーカブリダニ定着区

7日後、被害果率 8 %→1 %に低下

カブリダニ密度はほぼ維持(0.9→0.8頭/葉)



4. 使い方・適切な散布/設置手順


  1. 準備物:

    計量カップ、動力噴霧器、保護具(手袋・マスク)。


  2. 希釈倍率:

    常温水で1000倍希釈。例)水 100 L に対し薬量 100 mL。


  3. タイミング:

    アザミウマ:花房上位葉に成虫 1〜2頭/葉を目安。

    ヨトウムシ・オオタバコガ:幼虫若齢期初発時。


  4. 散布ステップ:

    葉裏まで濡れるように丁寧に散布(100〜300 L/10a)。

    散布後2〜3 hは換気を控え、薬液乾燥を待つ。


  5. 注意点:

    pH 7 以上のアルカリ性水では分解が早まるため、弱酸性〜中性水で希釈。

    灌注・葉面散布兼用タンクでの残液混用は避ける。


作物別適用表(2024年4月24日ラベル準拠の例示)

作物名

適用害虫名

希釈倍数(散布)

使用液量

使用時期

本剤使用回数(内訳)

成分総使用回数

トマト/ミニトマト

ハスモンヨトウ/オオタバコガ/ハモグリバエ類/シロイチモジヨトウ/トマトキバガ

1000倍

100–300 L/10a

収穫7日前まで

2回以内

2回以内

ナス

ハスモンヨトウ/オオタバコガ/アザミウマ類/ハモグリバエ類

1000倍

100–300 L/10a

収穫前日まで

4回以内

2回以内*

ピーマン・とうがらし類

アザミウマ類/タバコガ類

1000倍

100–300 L/10a

収穫前日まで

2回以内

2回以内

キャベツ

アオムシ/コナガ/ウワバ類/シロイチモジヨトウ/オオタバコガ/ネギアザミウマ/ハイマダラノメイガ

1000倍

100–300 L/10a

収穫7日前まで

2回以内

2回以内

非結球レタス

オオタバコガ/ハスモンヨトウ/ナモグリバエ

1000倍

100–300 L/10a

収穫7日前まで

2回以内

2回以内

はくさい/ブロッコリー

コナガ/ヨトウムシ

1000倍(無人航空機は16–32倍、1.6–3.2 L/10a)

100–300 L/10a

収穫7日前まで

2回以内

2回以内

*作物・地域・最新登録の更新により内訳表現が異なる場合があります。必ず最新ラベル・登録情報を確認してください。

Tip

20〜30 ℃で速効性が高い。低温期は発生初期に早めの散布が効果的。


5. 関連資材との相乗効果

資材

目的

使用タイミング

スワルスキー/スワマイト(スワルスキーカブリダニ剤)

アザミウマ類の捕食

定植直後に 50–100頭/㎡ 放飼、プレオ散布は7日後以降

バコトップ(タバコカスミカメ製剤)

コナジラミ・アザミウマの捕食

活着後直ちに導入し、プレオ散布は成虫増加期にスポット処理

粘着くん液剤

物理防除・卵塊剥離

プレオ散布 3日後に葉裏へ散布して被害抑制


6. FAQ


Q1:天敵放飼後すぐに散布しても大丈夫?

A:ハナカメムシ類やカブリダニ類には影響が小さいですが、定着直後は避け、最低2–3日空けてスポット散布が安全です。

Q2:収穫前日に散布しても残留基準は大丈夫?

Aイチゴの場合、収穫1日前まで使用可と登録されています(1日残留制限)。表示どおりの希釈倍率を順守してください。

Q3:耐雨性はどの程度?

A散布2 時間後、10 mmの降雨により効果低下が認められなかった試験例があります。天気予報を確認し、雨が降る前の散布は避けましょう。

7. まとめ


プレオフロアブルは若齢幼虫期の速効性アザミウマ適用、そしてIPM適合性が強み。

1000倍×100–300 L/10aを基準に、若齢期・発生初期を逃さず、抵抗性対策として輪番を徹底しましょう。


最新の適用表はメーカー/MAFF登録情報で必ず最終確認


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