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リクトップの使い方は? ─ イチゴやナスに付くアザミウマを防除する天敵製剤リクトップ(タイリクヒメハナカメムシ剤)を徹底解説!

更新日:1 日前


イチゴ・ナス・ピーマンなど施設栽培で深刻な被害をもたらすアザミウマ類。薬剤抵抗性を獲得しやすく、農薬だけに頼った防除では限界があります。リクトップは捕食性天敵 タイリクヒメハナカメムシ (Orius strigicollis)をボトルに封入した天敵製剤で、発生初期に1㎡あたり1~3頭を放飼するだけで、アザミウマ密度を3週間で80%以上抑制した事例も報告されています。さらに1日あたり成虫が平均12~20頭のアザミウマを捕食し、花粉を餌に生存できるため作物に長く定着。IPM(総合的病害虫管理)の柱として、化学農薬の散布回数削減と高品質収量の両立を実現します。







1. 商品概要



分類

天敵農薬(捕食性カメムシ剤)

主な対象害虫

アザミウマ類(ミナミキイロアザミウマ、チャノキアザミウマなど)

使用場面

発生初期~開花期/収穫期の長期定着狙い

提供形態

100 mL(100頭)/500 mL(500頭)紙管ボトル


2. 特長・メリット


2‑1. 高い捕食能力と広食性

  • 成虫はアザミウマ幼虫を1日平均12~20頭捕食。食害抑制に即効性。

  • 花粉を摂食できるため餌が切れた圃場でも長期定着。


2‑2. 広い適応温度・夜間活動性

  • 15~30 ℃で活発に活動し、夜間も捕食。温度変動が大きい春秋のハウスでも効果を発揮。


2‑3. 抵抗性リスクゼロ & 有機JAS適合

  • 捕食性天敵のため薬剤抵抗性リスクなし。

  • 有機農産物JAS適合証明取得済みで特別栽培にも採用しやすい。


ポイントBOX:競合天敵との比較(アザミウマ防除)

製剤

推奨頭数(/10a)

捕食対象

定着持続性

リクトップ

1,000–3,000

アザミウマ中心/花粉で延命

★★★★☆

スワルスキー(ダニ剤)

2,5000–50,000

アザミウマ・ハダニ

★★★☆☆

タバコカスミカメ(バコトップ)

1,000–3,000

コナジラミ・アザミウマ

★★★☆☆




3. 導入事例・実証データ


ケース

作物・栽培

放飼量

効果

栃木県・30a

イチゴ・高設栽培

2,000頭/10a×1回(開花初期)

3週間後にアザミウマ密度86%減、薬剤散布ゼロで収穫期まで維持。糖度・外観ともに秀品率95%

高知県・10a

ナス・ハウス

3,000頭/10a×1回+追放飼1,000頭/10a(4週後)

アザミウマ被害果率2%以下、化学防除5回→1回へ削減




4. 使い方・適切な散布/設置手順


  1. 準備物:リクトップボトル

  2. 放飼頭数:1,000〜3,000頭/10a(目安1–3頭/㎡)。

  3. タイミング:アザミウマ発生初期 or 開花開始時。

  4. 手順

    1. ボトルを水平に軽く振り、昆虫とバーミキュライトを均一化。

    2. 50 m²ごとにまんべんなく紙コップへ取り分け、株元または花房に静かに振り掛ける。

    3. 2週間後に密度を確認し、必要に応じ追放飼(1頭/㎡)。

  5. 注意点

    • 使用直後3日間は殺虫剤との混用を避ける。

    • 35 ℃以上では活動が鈍るため高温時は夕方に放飼。

    • 補食源確保のため「天敵のごちそう」など餌資材を併用すると定着が向上。

Tip:20–28 ℃・60–80%RHで花粉が供給される環境が最も定着が良好。


5. 関連資材との相乗効果


資材

目的

使用タイミング

天敵のごちそう

花粉・糖質供給で定着促進

放飼直後~2週間

サンサンネット(防虫ネット)

周辺からの再侵入阻止

定植〜収穫期

ホリバーロールイエロー

成虫発生モニタリング/捕殺

圃場常設


6. FAQ


  • Q1:何回放飼すれば良いですか?

    • A:発生初期に1回+密度が高い場合は2~3週間後に追放飼が目安です。


  • Q2:殺虫剤と併用できますか?

    • A:選択性の高い薬剤(BT剤・スピノサドなど)をリクトップ放飼の3日後以降に使用してください。


  • Q3:低温期でも効果がありますか?

    • A:15 ℃程度でも活動しますが、捕食スピードが落ちるため放飼頭数を1.5倍に増やすと安心です。


7. まとめ


リクトップは高い捕食力・長期定着・有機JAS適合を兼ね備え、アザミウマ対策の定番天敵です。化学農薬の散布頻度を減らしながら、高品質なイチゴやナスを安定出荷したい農家の強力なパートナーに。まずは発生初期の1回放飼から始めてみませんか?


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