top of page

イチゴが奇形に!原因はアザミウマ?写真で診断・防除ガイド

更新日:7月4日


ミカンキイロアザミウマ イラスト
ミカンキイロアザミウマ イラスト

花が咲いて実が肥大するはずのイチゴに、扁平・ねじれ・ざらつきといった奇形果が現れると、収量も外観品質も大きく低下します。温室で頻発する主因のひとつがアザミウマ(スリップス)(特にミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ)の花期吸汁です。本記事では、写真で分かる診断と、IPMを中心にした防除・予防策をステップ別に解説。緊急対応から長期管理まで、この1本で迷わず行動できるようになります。



2. 症状チェック|{{症状キーワード}}の特徴


観察部位

初期症状

進行症状

果実(萼直下)

表面がざらつく、部分的に白く硬化

果実全体が扁平・ねじれ、着色ムラ

花弁・萼

花弁が茶変・脱落

種子欠落による奇形果


アザミウマに食害された実
アザミウマに食害された実
アザミウマ被害によって褐変した花弁
アザミウマ被害によって褐変した花弁


3. 考えられる原因(病害虫)一覧

病害虫/要因

典型症状との一致度

発生環境

確認ポイント

アザミウマ類

★★★

高温・乾燥、花期

花粉部や未熟果に銀白色虫体、青色トラップ捕獲数

ハダニ類

★☆☆

高温・乾燥

葉裏の点状吸汁痕、クモ糸

花粉不足(低温・曇天)

★★☆

低温・日照不足

正常花弁でも奇形果、花粉量少

カリ・ホウ素欠乏

★☆☆

連作・肥効不良

若葉縁枯れを併発


4. 対策ガイド


4-1. 緊急措置


  • 被害果・落花を袋密閉しハウス外へ廃棄。

  • 青色またはUVカット粘着トラップを追加(10 枚/10a)。

  • IPM適合性の高い**スピノサド剤(例:スピントップ®)**を夜間にスポット散布。



4-2. 環境調整(IPMの基礎)

管理項目

目安値

効果

昼温度

約25 °C

発育スピード抑制

夜温度

8–12 °C

開花安定・奇形減

相対湿度

65–75 %

天敵活動維持

換気回数

≥5回/時

花粉飛散・CO₂調整


4-3. 生物的防除


  • スワルスキー/スワマイト:1,000頭/m²を開花初期放飼。

  • リクトップ:1,000~3,000頭/10aを花が連続する時期に追加。多量の捕食量を誇る。

  • 併用NG薬剤:ピレスロイド・ネオニコ系は放飼前後2週間避ける。




4-4. 化学的防除

商品名

有効成分

希釈倍率

散布適期

スピノエース顆粒水和剤

スピノサド

5,000倍

発生初期

プレオフロアブル

ピリダリル

1,000倍

高密度時ローテ用

マッチ乳剤

ルフェヌロン

1,000倍

摘果後残存幼虫抑制

注意:

登録内容は地域・作型で異なるため最新ラベルを必ず確認。




5. 予防と管理のチェックリスト


☐ 定植前に苗箱を粘着トラップで3日検定

☐ ハウス周囲雑草を月1回刈り取り

☐ 0.4 mm防虫ネットを常設

☐ 週1回、青色トラップ捕獲数を記録(閾値3頭/枚)



6. 失敗しがちなNG例


  1. 奇形果を残したまま収穫 → アザミウマを温存してしまう。

  2. 天敵放飼後にピレスロイド散布 → 天敵が全滅し、生物的防除が上手く行かない。

  3. 夜温を上げ過ぎる → アザミウマの密度が急増してしまう



7. FAQ


Q1:奇形果を食べても安全?

A:人体への毒性は無いが市場価値は低く、早期除去が望ましい。


Q2:天敵が効かない原因は?

A:放飼量不足・高温乾燥・NG薬剤同時使用を確認。


Q3:粘着トラップは青と黄のどちら?

A:アザミウマは青に誘引されやすい。黄はコナジラミ監視用と併用。




8. まとめ


イチゴの奇形果は、開花期のアザミウマ加害が最大の要因です。花や若果を観察し、粘着トラップでモニタリングすれば早期に気付けます。奇形を見つけたら、①被害果除去、②IPM適合薬剤のスポット散布、③スワルスキーカブリダニリクトップ導入、④温湿度最適化を即実行。防虫ネットとトラップを常設し、環境ログを取ることで再発も防げます。症状の画像を見ながら、巡回時に必ずチェックしましょう。




アセット 68.png
最新記事
​カテゴリー
タグ

 © 2023 bioEgg Inc.

bottom of page