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サンヨール乳剤はどうやって使う?─イチゴ、ナス、ピーマン、キュウリのハダニやアブラムシ、うどんこ病を防除するサンヨール乳剤の使い方を徹底解説!

更新日:9月1日

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施設栽培のイチゴやキュウリではアブラムシ類ハダニ類が増えやすく、同時にうどんこ病・灰色かび病などの病害も悩みの種です。

サンヨール乳剤は、銅イオンによる殺菌作用と、界面活性成分による物理的殺虫作用(気門封鎖)を併せ持つため、病害と一部害虫を1剤でまとめて予防・抑制できます。

イチゴ・トマト・キュウリではアブラムシ・ハダニに適用、ピーマンではアブラムシに適用、ナスはうどんこ病・すすかび病のみの登録です。収穫前日まで使用可で、苗浸漬(イチゴ)にも対応しています。IPM(総合的病害虫管理)に組み込みやすい剤として、正しい希釈倍率・使用時期・回数を守って使いましょう。


こんな方におすすめ

  • イチゴ・キュウリ・ピーマンでアブラムシ、イチゴ・キュウリでハダニに悩んでいる

  • うどんこ病や灰色かび病などの病害も同時にケアしたい

  • 苗浸漬(イチゴ)や収穫前日までの運用を知りたい

1. 商品概要

分類

有機銅系殺菌剤

有効成分

ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩(Ⅱ)

主な対象

病害:うどんこ病・灰色かび病・葉かび病 等/害虫:アブラムシ類・ハダニ類・コナジラミ類(作物によって異なる)

使用場面

イチゴ定植前苗浸漬、発生初期の予防・初期防除収穫前日まで散布可

提供形態

乳剤(100mL、500mL ボトル)

2. サンヨール乳剤の特長・メリット

2‑1. 本剤で病害+一部害虫を同時対策

銅イオンによる病害の予防、界面活性成分でアブラムシ・ハダニ・コナジラミ物理的に抑制。作用性が異なるため耐性リスクが低い


2‑2. IPMに適した扱いやすさ

収穫前日まで使用可能。作物・菌体への付着性が高く展着剤不要訪花昆虫やマルハナバチへの影響が小さく、天敵や授粉昆虫の導入体系に組み込みやすい。


2‑3. 現場で使いやすい基本設計

希釈は多くの作物で500倍(一部1000倍まで)。使用液量100〜300L/10aが目安。ハウス高温時の薬害に注意すれば扱いやすい。



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3. サンヨール乳剤の導入例

作物名/作型

投入目的

希釈倍率・時期

結果

イチゴ/施設

うどんこ病の予防+アブラムシ初期抑制

定植前苗浸漬500倍(瞬間〜5分)→発生初期500倍散布(100〜300L/10a)

初発の遅延と軟弱新葉でのアブラムシ定着が抑えられ、病害虫の立ち上がりを抑制

キュウリ/施設

ハダニ・アブラムシの立ち上がり抑制

500倍、5〜7日間隔で初期2回

葉裏の粉状群落形成を抑え、被害葉の拡大を抑制

ピーマン/施設

アブラムシの初期密度抑制

500倍、発生初期に散布

新梢への定着・巻葉被害の拡大を抑え収穫ロス低減(病害も同時予防)


4. サンヨール乳剤の使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    サンヨール乳剤、計量カップ、散布機、保護具(手袋・マスク・保護眼鏡など)。


  2. 希釈倍率 or 設置個体数:

    多くの対象で500倍(イチゴうどんこ病は500〜1000倍、ナス病害は700倍)。使用液量100〜300L/10aが目安。


  3. タイミング:

    病害虫の発生時期の予防及び発生初期に。収穫前日まで使用可能。イチゴは定植前苗浸漬(500倍瞬間〜5分、または800倍5分)。


  4. 手順ステップ:

    所定倍数で希釈→葉表裏に十分量を均一付着。施設は散布後換気し、乾きやすい条件で。


  5. 注意点:

    高温時は薬害注意。多湿条件は乾燥を促す。使用回数使用時期の制限を遵守。混用については混用事例集を確認してください


サンヨール 作物別適用表(作物抜粋)

作物

対象病害虫

使い方

イチゴ

うどんこ病(苗浸漬) うどんこ病 灰色かび病 アブラムシ類 ハダニ類

苗浸漬:500倍(瞬間〜5分)/800倍(5分)1回以内 うどんこ病:500~1000倍、6回以内、100~300ℓ/10a 灰色かび病・アブラムシ類・ハダニ類:500倍、6回以内、100~300ℓ/10a ※収穫前日まで

ナス

うどんこ病

すすかび病

うどんこ病・すすかび病:700倍、4回以内、100~300ℓ/10a、収穫前日まで

ピーマン

うどんこ病 アブラムシ類

うどんこ病・アブラムシ類:500倍、4回以内、100~300ℓ/10a、収穫前日まで

キュウリ

べと病 うどんこ病 ハダニ類 アブラムシ類

ベと病・うどんこ病・ハダニ類・アブラムシ類: 500倍、4回以内、100~300ℓ/10a、収穫前日まで

Tip:ナスでアブラムシ類・ハダニ類の登録はありません。ピーマンはアブラムシ類のみ登録(ハダニ類は未登録)。


5. 関連資材との相乗効果

資材名

目的

使用タイミング

カリグリーン

うどんこ病のローテーション

発生初期のローテーション散布

ニッソラン水和剤

ハダニ多発時の決め手

サンヨールで立ち上がり抑制→密度上昇時に切替

ウララDF

アブラムシ多発時の決め手

同上

チリトップ(チリカブリダニ剤)

IPM強化

薬剤散布と間隔を空けて導入

6. FAQ

Q1:ナスやピーマンのハダニにも使えますか?

A ナスは病害のみ登録、ピーマンはアブラムシ類のみ登録で、ハダニ類は未登録です。ハダニは登録のあるキュウリ・イチゴ・トマトでご使用ください。

Q2:展着剤は必要ですか?

A不要です。本剤自体の展着性が高く、葉・菌体への付着性に優れます。

Q3:ミツバチやマルハナバチへの影響は?

A: 訪花昆虫への影響は小さいとされていますが、導入直前直後の散布は避け、巣箱は養生するなど配慮してください。

Q4:散布間隔の目安は?

A: 発生初期に5〜7日間隔で数回重ねると安定しやすいです(使用回数の上限内で)。

Q5:混用はできますか?

A: 基本は単用を推奨。混用については混用事例集を参考にしてください。

7. まとめ


サンヨール乳剤は病害の予防アブラムシ・ハダニ等の初期抑制を1剤で担える有機銅系資材です。収穫前日まで使え、苗浸漬(イチゴ)にも対応しています。

ラベルで定められた作物・対象・回数を守り、必要に応じて選択性殺虫剤や天敵と組み合わせることで、被害の立ち上がりを抑えて安定生産に寄与します。ご自身の圃場へ導入を検討してみてはいかがでしょうか。



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