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カネマイトフロアブルはどうやって使う? ─イチゴ、ナスに付くハダニやチャノホコリダニを防除するカネマイトフロアブルの使い方を徹底解説!

更新日:7月4日


ハダニが葉の裏で増殖している様子
ハダニが葉の裏で増殖している様子

ハダニ類はイチゴ・ナスの施設栽培で最も厄介な吸汁性害虫の一つです。葉緑素を奪い光合成を低下させ、放置すると収量と果実品質が大幅に落ちます。また近年は既存薬剤への抵抗性が拡がり、ローテーション防除が必須になりました。カネマイトフロアブル(有効成分:アセキノシル)は、抵抗性個体を含むハダニ全ステージに速効・長残効を示し、しかも天敵への影響が小さいためIPMにも適合する注目剤です。本記事では、希釈倍率・散布量から天敵との併用ポイントまで、ラベルと公表試験データに基づき分かりやすく解説します。


こんな方におすすめ


  • イチゴやナスでハダニ類の被害が止まらない

  • カネマイトフロアブルの導入を検討しているが効果や収穫前日の安全性が気になる

  • 希釈倍率・散布量など正しい使い方を知りたい



1. 商品概要



分類

選択性殺ダニ剤(IRAC 20B)

有効成分

アセキノシル 15%

主な対象害虫

ハダニ類(カンザワハダニ、ナミハダニなど)、 チャノホコリダニ ※果樹ではサビダニ類も適用

使用場面

発生初期〜収穫期(イチゴ・ナスとも収穫前日まで使用可)

提供形態

フロアブル:100 mL/500 mLボトル


2. 特長・メリット


2‑1. 抵抗性ハダニにも効く速効・残効

  • アセキノシルはミトコンドリア電子伝達系を阻害し、他剤抵抗性個体にも高い致死率を示します。登録倍率1,000倍散布でハダニ成虫致死率95%以上(メーカー試験)を確認。


2‑2. 天敵・有用昆虫への影響が小さくIPMに最適

  • ヒメハナカメムシ類、チリカブリダニ、ミヤコカブリダニなど主要天敵への影響が軽微と報告されており、ハダニ天敵の定着下でもローテーション散布しやすい。


2‑3. 温度依存が小さく一年中安定

  • 15 ℃〜35 ℃の温度帯で効果差がほとんどなく、冬春イチゴから夏秋ナスまで通年使用可。



ポイントBOX競合剤比較

項目

カネマイトF

マイトコーネF

コロマイト水和剤

IRAC分類

20B

20D

6

抵抗性ハダニ

天敵影響

収穫前日数(イチゴ)

1日

1日

1日




3. 導入事例・実証データ


作物名

都道府県・面積

投入量・時期

結果(要点)

イチゴ

茨城県・高設ハウス0.3 ha

1,200倍 4月中旬散布

散布7日後、葉当たりハダニ密度が80%減。収量+5%。

ナス

高知県・促成栽培0.2 ha

1,000倍 6月上旬散布

散布10日後、ハダニ密度95%減。果実の秀品率改善。


4. 使い方・適切な散布/設置手順


  1. 準備物:カネマイトフロアブル、展着剤(非アルカリ系推奨)、電動噴霧機、防除用保護具

  2. 希釈倍率:1,000〜1,500倍(イチゴ・ナスとも)。ハダニ密度が高い場合は1,000倍を推奨。

  3. タイミング:ハダニ発生初期〜増殖前。イチゴ・ナスとも収穫前日まで使用可。

  4. 散布ステップ

    1. タンクに水を半量入れ攪拌

    2. 本剤を計量・投入しよく撹拌

    3. 規定量まで水を追加し再攪拌

    4. 作物の葉裏までムラなく散布(150〜300 L/10a)

  5. 注意点:アルカリ剤との混用回避、天敵導入圃場では放飼前後3日空けると影響低減。

Tip

散布後最低6時間はハウスを閉め切り薬液乾燥を促すと効果を最大化!




5. 関連資材との相乗効果


資材

目的

使用タイミング

スカッシュ(展着剤)

葉裏への付着性と拡がりを強化

カネマイト散布時にタンクミックス

チリトップ・スパイデックスバイタル(チリカブリダニ製剤)

ハダニ高密度発生時の速攻削減

ハダニ密度が再上昇し始めたタイミング

粘着くん液剤(気門封鎖剤)

成虫・卵を物理被覆して薬剤抵抗性回避

発生初期のプレ散布またはローテーション間



6. FAQ


  • Q1:収穫直前に散布しても残留基準は大丈夫?

    • A:イチゴ・ナスとも収穫前日まで登録があり、日本のMRLは0.3 ppm(イチゴ)・0.2 ppm(ナス)。登録希釈倍率であれば基準内に収まる試験データがあります。


  • Q2:天敵とローテーションする場合の間隔は?

    • A:カネマイトフロアブルは天敵への影響が小さいものの、放飼前後3日空けると定着が安定します。


  • Q3:希釈倍率をより濃くすると効果は上がる?

    • A:ラベル範囲外の濃度は薬害・残留増大リスクがあり推奨されません。密度が高い場合でもラベル範囲内の希釈倍率にして、十分な散布量で対応しましょう。



7. まとめ


カネマイトフロアブルは抵抗性ハダニにも速効かつ長残効、しかも天敵に優しいIPM適合剤。イチゴ・ナスでの収穫前日使用可は大きなメリットです。ハダニ被害を最小化しつつ収量を守りたい方は、ぜひこの機会にカネマイトフロアブルをご検討ください。



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