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ピラニカEWはどうやって使う?─イチゴやナスのハダニを防除するピラニカEWの使い方を徹底解説!

更新日:9月1日

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イチゴやナスで増えがちなハダニ類(ナミハダニ・カンザワハダニ等)は、高温・乾燥条件で一気に増殖し、光合成阻害や着色不良、収量減を招きます。


ピラニカEW(有効成分:テブフェンピラド10%)は、卵〜成虫まで幅広いステージに速効的に効く殺ダニ剤です


EW製剤のため作物表面の汚れが少なく、茶や花き類、観葉植物など外観を重視する作目にも使いやすいのが特長です。イチゴではハダニ類に2回以内ナスではハダニ類・チャノホコリダニに1回の登録があり、収穫前日まで使えるため収穫期の発生にも対処しやすい剤です。


本記事では、適用作物別の希釈倍率、使用時期、散布量、抵抗性対策(ローテーション)まで、現場で迷わない使い方を解説します。


こんな方におすすめ

  • イチゴ・ナスのハダニ被害に悩んでいる

  • ピラニカEWの実際の効果や使い方を確認したい

  • 適切な希釈倍率・散布量・使用時期を知りたい


1. 商品概要

項目

内容

分類

選択性殺ダニ剤(IRAC 21A:METI)

有効成分

テブフェンピラド 10.0%

使用場面

高温・乾燥期の増殖期、収穫期の発生時、初発〜多発前の立ち上がり

提供形態

500mlボトル等




2. ピラニカEWの特長・メリット

2‑1. 卵〜成虫まで効く速効性・広いステージ効果

・全ステージで高い殺ダニ効果、速効性で増殖を抑制。


2‑2. 収穫前日まで使える実用性(イチゴ・ナス)

・イチゴは2回以内ナスは1回の登録。収穫前日まで使用可能で収穫期の発生にも対応しやすい。


2‑3. EW製剤で作物体の汚れが少ない

・有効成分をEW化した汚れが少ない処方。外観品質を重視する施設園芸で使いやすい。


ポイント

同じ殺虫剤でも作用機構(IRACコード)が異なる。ピラニカEW(21A)は、20B(アセキノシル)、20D(ビフェナゼート)、10B(エトキサゾール)、6(アバメクチン)等とローテーションして抵抗性発達を抑えるのが基本



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3. ピラニカEWの導入例

作物 / 作型

導入目的

投入量/時期

結果

イチゴ/施設

収穫期に増えたハダニ類の密度抑制

2000〜3000倍、150〜300L/10a。着果期〜収穫期に初発確認後に散布。

散布3〜5日で被害葉の進展停止、若齢虫中心に密度低下。

ナス/施設

生育初期の発生立ち上がり抑制

ハダニ類:2000〜3000倍、チャノホコリダニ:2000倍。150〜300L/10a。初発期に散布。

新梢・若葉の褐変進行が止まり、新葉の健全化を確認。以後は別IRAC剤とローテで維持。

4. ピラニカEWの使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    ピラニカEW、計量カップ、噴霧機、水、防護具(手袋・マスク・保護めがね等)


  2. 希釈倍率:

    ・イチゴ ハダニ類:2000〜3000倍

    ・ナス ハダニ類:2000〜3000倍チャノホコリダニ:2000倍


  3. 使用液量

    150〜300L/10a(作物・草高・被覆率に応じて調整)


  4. タイミング:

    初発〜増殖前に、葉裏まで十分な付着を確保。収穫前日まで可(イチゴは年2回以内、ナスは1回)。


  5. 手順ステップ:

    所定量の清水に本剤をよく攪拌しながら希釈→タンク内均一化→葉裏に届くようノズル角度と圧を調整→むら無く散布。


  6. 注意点:

    同一ハウスでの連用は避け、IRACの異なる剤と必ずローテーション。天敵利用時は影響評価に留意し、導入や放飼タイミングを調整。ハチ類は直接散布を避ける

Tipハダニは葉裏に多い傾向。展葉直後の若葉を重点に、風上→風下へ、上下段を分けて被覆率を上げると効果が安定します。

ピラニカEW 作物別適用表(作物抜粋)

作物

対象害虫

使い方

イチゴ

ハダニ類

2000~3000倍、150~300L/10a、収穫前日まで、1回以内

ナス

ハダニ類、チャノホコリダニ

ハダニ類:2000~3000倍、2回以内 チャノホコリダニ:2000倍、1回以内 どちらも収穫前日まで、150~300L/10a

花き類・観葉植物 (カーネーション・キクを除く)

ハダニ類

2000倍、150~300L/10a、発生初期、1回以内

カーネーション・キク

ハダニ類

1000~2000倍、150~300L/10a、発生初期、1回以内


5. 関連資材との相乗効果

資材名

目的

使用タイミング

マイトコーネフロアブル

ローテーション散布

ハダニ発生初期~増殖期

ニッソラン水和剤

ローテーショ散布

ハダニ発生初期~増殖期 ※成虫に対する効果△

ミヤコトップ (ミヤコカブリダニ剤)

天敵によるハダニ防除

ハダニの発生場所に重点的に放飼、多発生時は薬剤でハダニを減らしてから放飼 ※ピラ二カEWを散布してから2週間は放飼しない


6. FAQ

Q1:収穫直前でも使えますか?

A:イチゴ・ナスとも収穫前日まで使用できます(ラベル準拠)。ただし使用回数上限(イチゴ2回、ナス1回)と希釈倍率を厳守してください。

Q2:天敵(カブリダニ)と併用できますか?

A:一部天敵に影響が出る場合があります。散布直後の放飼は避け、IPM計画内で別系統薬剤とのローテーションや導入タイミングの調整を推奨します。

Q3:抵抗性対策はどうすれば良いですか?

A同系統(21A)の連用は避け、20B・20D・10B・6など作用機構の異なる剤とローテーション散布年内の使用回数も守り、発生初期の適期防除を心がけてください。

7. まとめ


ピラニカEWは、イチゴ・ナスで問題となるハダニ類に対して速効&幅広いステージ効果を示し、収穫前日まで使える実用性が魅力です。EW製剤で汚れが少ないため、外観品質を重視する観葉植物等にも好適です。


一方、抵抗性対策(IRACローテーション)と散布の仕方(葉裏まで)が効果を最大化する鍵となります。本記事を参考にし、ハダニ類による被害を抑えていきましょう。



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