ダニサラバフロアブルはどうやって使う? ─イチゴやナス、キュウリ、ピーマン、メロンのハダニを防除するダニサラバフロアブルの使い方を徹底解説!
- 爽 花香
- 6月20日
- 読了時間: 4分
更新日:7月4日

ハダニ(ナミハダニ・カンザワハダニ)は夏期の施設栽培で急増し、葉のかすれ傷やそれに伴う光合成阻害により収量低下を招きます。「薬剤抵抗性が進んでいて何を散布しても効かない」――そんな声に応えるのがダニサラバフロアブル(有効成分:シフルメトフェン 20%、IRAC 25A)。卵から成虫まで全ステージに効き、収穫前日まで使えるため、イチゴ・ナス・キュウリなど長期収穫作物の“最後の切り札”として全国の試験で高評価を獲得しています。本記事では、具体的な使い方から抵抗性管理までを徹底解説します。
1. 商品概要
2. 特長・メリット
2‑1. 抵抗性ハダニにも効く新規骨格
シフルメトフェンは従来の殺ダニ剤と作用点が異なるβ-ケトニトリル系。既にビフェナゼート(マイトコーネ)に対し抵抗性が確認された圃場でも90%以上の密度抑制を示した事例あり。
2‑2. 卵〜成虫まで全ステージ制圧
特に幼虫に高感受性を示し、散布3日後に幼虫致死率95%以上。卵・成虫にも70–85%の効果を確認。
2‑3. 天敵・ミツバチへの影響が小さい
カブリダニ、ミツバチ、マメコバチなどの有用生物への影響が少なく、IPMに適合。
ポイントBOX:他の殺ダニ剤との比較
3. 導入事例・実証データ
4. 使い方・適切な散布/設置手順
準備物:ダニサラバフロアブル、水、計量カップ、動力噴霧器、保護具(手袋・マスク)。
希釈倍率:1000倍(一部作物で1000~2000倍、しそ科葉菜類は2000倍)。
タイミング:ハダニ密度0.5頭/葉程度の発生初期。必要なら7–10日間隔で計2回まで。
手順ステップ:
a. 原液を少量の水で攪拌し原液希釈液を作る。
b. タンク全量の水に投入し再攪拌。
c. ノズルを上向き45°で葉裏に重点的に散布。
注意点:ボルドー液との混用不可。30 ℃以上の高温時は夕方散布で蒸散を抑制。
Tip:
本剤はアルカリ性のフロアブルです。酸性資材との混用は有効成分の分解や薬害につながる恐れがあるため避けてください。必要に応じて非イオン性展着剤を加えると葉裏付着率が向上し、薬効が安定します。
5. 関連資材との相乗効果
6. FAQ
Q1:収穫直前に散布しても残留は大丈夫?
A:登録上「収穫前日まで使用可」。ただし出荷前の洗浄や出荷団体の基準を確認してください。
Q2:カブリダニを放した圃場で使えますか?
A:急性影響が小さいため散布後3–5日で天敵活動が回復する報告があり、IPMで併用可能です。
Q3:同じハウスで3回以上散布してもいい?
A:使用基準は最大2回/作。抵抗性回避のため作用機序の異なる農薬とローテーションしてください。
7. まとめ
ダニサラバフロアブルは発生初期に1回散布というシンプルな運用で、抵抗性ハダニも含めて確実に密度を抑えます。天敵やミツバチにも優しいため、IPMとの親和性が高い薬剤です。従来の薬剤とは作用機序が異なるため、抵抗性ハダニに対抗する切り札として機能します。注意する点としては、ダニサラバを連続散布してしまうと抵抗性が発達する可能性があります。作用機序の異なる殺ダニ剤とのローテーション散布を行い、抵抗性の発達を抑え、安定収量を目指しましょう。











