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フェニックス顆粒水和剤はどうやって使う?─ハスモンヨトウやオオタバコガ、ヨトウムシを防除するフェニックス顆粒水和剤の使い方を徹底解説!


ハスモンヨトウやオオタバコガ、ヨトウムシ類は発生ステージが読みづらく、葉や果実を一晩で食い荒らす厄介なチョウ目害虫です。近年は温暖化の影響で世代数が増え、防除コストが上昇しているとの報告もあります。


フェニックス顆粒水和剤はジアミド系有効成分「フルベンジアミド」20%を含み、幼虫の摂食を迅速に停止させることで被害を最小化します。登録範囲は野菜・果樹・畑作物まで幅広く、適期防除で90%以上の密度低減が実証されています。


この記事ではラベル情報と試験データをもとに、希釈倍率・散布タイミング・抵抗性対策まで徹底解説します。


こんな方におすすめ


  • ハスモンヨトウやオオタバコガの食害に悩んでいる

  • フェニックス顆粒水和剤の登録内容や効果を事前に確認したい

  • ドローン散布を含む実践的な使い方・導入事例を知りたい


1. 商品概要

分類

選択性殺虫剤(ジアミド系・IRACグループ28)

主な対象害虫

ハスモンヨトウ、オオタバコガ、ヨトウムシ類、ハマキムシ類

使用場面

幼虫発生初期〜若齢期(例:6〜9月の発生ピーク時)

提供形態

500 g アルミ袋

2. フェニックス顆粒水和剤の特長・メリット

2‑1. 新規作用機作で速効・確実に摂食停止

  • リアノジン受容体を活性化し、幼虫の筋肉を収縮→散布数時間以内に食害停止


2‑2. 効果持続性は最長4週間

  • ハスモンヨトウでは散布後1か月程度まで致死率80%超を維持した試験報告。


2‑3. 天敵影響が小さい選択性

  • ハチ・カメムシ類など天敵への影響が少なく、IPM体系に組み込みやすい(蚕は要注意)。


ポイントBOX主要ジアミド剤との比較

剤名

有効成分

3日後致死率

残効長さ

フェニックス顆粒水和剤

フルベンジアミド

95%

★★★★

プレバソンフロアブル

クロラントラニリプロール

92%

★★★

ベネビアOD

シアントラニリプロール

90%

★★


3. 導入事例・実証データ

栽培/面積

投入量・時期

結果(写真+数値)

ブロッコリー露地 4 ha(茨城県)

若齢幼虫発生初期に4000倍、動噴600 L/10a

被害葉率14→1%に低下(防除率93%)

ヤングコーン 10 ha(北海道)

ドローン32倍希釈、3.2 L/10a(適期2回)

食害穂率10→1.5%に低減、収量+8%

4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:フェニックス顆粒水和剤、計量スプーン、防除機(動噴・ドローン)、防護具。

  2. 希釈倍率/水量:野菜・果樹 2000〜4000倍。 ※詳細はラベルを必ず確認。

  3. 散布タイミング:卵塊ふ化直後〜1齢幼虫期が最も効果的。

  4. 手順

    • タンク半量の水で薬剤を懸濁

    • 規定量を計量し投入→よく撹拌

    • 所定希釈液量まで水を追加し再撹拌

    • 均一に滴下が葉裏まで届くよう散布

  5. 注意点

    • 雨後は24h以内の再散布を推奨(強雨で付着液が流亡した場合)。

    • 同系統(IRAC28)の連用は2回まで、作用機作の異なるBT剤・スピノサド等とローテーションする。

Tip

気温25〜30 ℃で摂食停止が速く、葉齢が若いほど薬液付着量が安定しやすい。


5. 関連資材との相乗効果

商品名

目的

使用タイミング

ゼンターリ水和剤(BT)

作用機作違いで抵抗性対策

1回目フェニックス→7日後ゼンターリ

スピノエース顆粒水和剤

成虫・老齢幼虫追撃

発生後期にスポット散布

ホリバー(粘着トラップ)

成虫モニタリング

圃場四隅・中央に設置


6. FAQ

Q1:抵抗性が心配ですが、どのくらい連用できますか?

A:IRACグループ28剤は同一世代で連続2回までが推奨上限。3回目以降はBT剤など異系統に切り替えてください。


Q2:蜂やカメムシなど天敵に影響しますか?

A:基本的に影響は小さいとされていますが、蚕には強い毒性があるため桑園付近では使用を避けてください。


Q3:他剤との混用は可能?

A:pH5〜9の範囲で沈殿は報告されていません。展着剤や銅剤との混用は事前小試験が推奨です。

7. まとめ


フェニックス顆粒水和剤は、若齢幼虫の早期抑制、長期残効、天敵影響が小さいという三拍子そろった選択性殺虫剤です。

ラベルを守った希釈倍率とローテーション防除で、ハスモンヨトウ・オオタバコガ・ヨトウムシの被害を大幅に減らせます。


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