マイコタールはどうやって使う? ─イチゴ、ナス、ピーマン、トマトに付くうどんこ病やコナジラミを防除するマイコタールの使い方を徹底解説!
- 秋介 永田
- 6月3日
- 読了時間: 4分
更新日:7月4日

ビニールハウスでイチゴやトマトを栽培していると、うどんこ病で葉が白く覆われる、コナジラミが大量に飛び回る——そんな経験はありませんか?特に薬剤抵抗性が進んだコナジラミや、温暖化で年々発生が早まるうどんこ病は、従来の化学農薬だけでは防除が難しくなっています。そこで注目されているのが、昆虫病原性糸状菌 Verticillium lecanii を有効成分とする微生物農薬 「マイコタール」。施設内でのコナジラミ発生量を最大 90 % 抑制した試験事例もあり、有機 JAS 適合で天敵やミツバチにも影響が少ないのが特長です。本記事では、農家さんが知りたい「希釈倍率」「散布タイミング」「環境条件」などのキーワードを押さえつつ、マイコタールの効果と使い方を徹底解説します。
こんな方におすすめ
イチゴ・ナス・ピーマン・トマトの コナジラミ や うどんこ病 に悩んでいる
マイコタール の導入効果を事前に確認したい
IPM で使える 微生物農薬 を探している
散布回数や 希釈倍率・適温湿度 など具体的な使い方を知りたい
1. 商品概要
分類 | 微生物農薬(殺虫・殺菌剤) |
---|---|
主な対象病害虫 | コナジラミ類・アザミウマ類/うどんこ病菌 |
使用場面 | |
提供形態 | 500g/箱 |
2. 特長・メリット
2‑1. 薬剤抵抗性コナジラミにも高い致死率
昆虫病原性糸状菌を使用しているため、薬剤抵抗性のコナジラミでも防除可能。
施設トマトで 3 回散布後、成虫密度を 89 % 低減 した試験結果。
2‑2. うどんこ病も同時防除
葉面に付着した菌が病原菌の侵入を阻害し、うどんこ病を抑制。
被害葉率を 70 % → 15 % まで抑えた実証例。
2‑3. 有機JAS・IPM に最適
天敵・マルハナバチ・ミツバチ への影響が小さい。
散布回数が農薬使用回数にカウントされず、残留基準の心配も不要。
ポイントBOX:ボタニガードESとの比較
項目 | マイコタール | ボタニガード ES |
---|---|---|
菌種 | Verticillium lecanii | Beauveria bassiana |
コナジラミ致死率(7 日後) | 85–90 % | 80–85 %(幅広い害虫に効果) |
登録病害 | うどんこ病 ◎ | うどんこ病 ○ |
3. 導入事例・実証データ
作物 | 栽培体系/面積 | 散布量・時期 | 主な結果 |
---|---|---|---|
トマト | 施設栽培 20a | 1000倍希釈 200 L/10a ×3 回(7 日間隔) | 成虫密度 89 % 低減、収量 10 % 増 |
イチゴ | 促成栽培 15a | 1000倍 希釈 150 L/10a ×4 回(10 日間隔) | うどんこ病発生葉率 70→15 % |
4. 使い方・適切な散布/設置手順
準備物:マイコタール、水
希釈倍率:1000倍希釈。10a 当たり 150–300 L が目安。
タイミング:害虫発生初期/発病前〜初期。7–10 日間隔で計 2–3 回 が効果的。
手順ステップ:
a. 本剤に少量の水を加えてかき混ぜ2-4時間直射日光を避け静置(散布後の発芽促進させるため)。その後、所定量の1000倍まで希釈する。
b. コナジラミが好む葉裏・生長点を中心に散布する。
注意点:本剤に対して殺菌作用を示す薬剤の使用は十分注意する。
Tip:
施設内を温度18〜28℃、高湿度に保つことが望ましい
5. 関連資材との相乗効果
資材 | 目的 | 使用タイミング |
---|---|---|
スワルスキー250ml | アザミウマ同時防除 | マイコタール散布後 1 週間 |
ホリバーロールイエロー | 成虫発生モニタリング | 圃場常設 |
ツヤトップ | コナジラミ防除促進 | 発生極初期 |
6. FAQ
Q1:低温期でも使えますか?
A:15 °C でも効果がないことはありませんが、最適温度は 18-28°C です。
Q2:ミツバチに影響は?
A:ミツバチに対する影響は小さいです。しかし、巣箱及びその周辺には散布せず、受粉促進を目的としてミツバチ等を放飼中の施設や果樹園等では使用を避けましょう。
Q3:薬剤と混用できますか?
BT剤やアドマイヤ―などの薬剤との混用は問題ありません。その他、混用できる薬剤と混用できない薬剤についてはラベル記載を必ず確認してください。
7. まとめ
マイコタールはコナジラミを防除すると同時に、うどんこ病 も抑える微生物農薬です。有機 JAS 適合で天敵やミツバチへの影響が少なく、IPM に組み込むことができます。「薬剤抵抗性コナジラミで困っている」「薬剤回数を減らしたい」という方は、ぜひマイコタールの導入を検討してみてください。