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グレーシア乳剤はどうやって使う?─イチゴ、ナス、キュウリなどのヨトウムシ、オオタバコガ、ハモグリバエを防除するグレーシア乳剤の使い方を徹底解説!

更新日:8月18日

ヨトウムシの食害
ヨトウムシの食害

施設でも露地でも、ヨトウムシ(ハスモンヨトウ・ヨトウムシ・シロイチモジヨトウ)オオタバコガ、さらにハモグリバエ類アザミウマ類が一気に広がると、収穫期のロスと品質低下が止まりません。


グレーシア乳剤(有効成分:フルキサメタミド、IRACコード30)は、既存剤と異なる作用で抵抗性個体群にも高い効果を示し、約2週間の加害抑制と葉裏まで届く浸達性耐雨性高温・低温下でも安定した効力が特長の選択性殺虫剤です。

イチゴ・ナス・キュウリを中心に、収穫前日まで使える適用が多く、希釈倍率は2000倍(作物・害虫により2000〜3000倍)が基本。


この記事では、ラベルに基づく適用作物・対象害虫・希釈倍率・使用回数を整理し、散布タイミング・ローテーション設計・よくある失敗対策まで、現場でそのまま使える手順で解説します。


こんな方におすすめ


  • イチゴ・ナス・キュウリでヨトウムシ/オオタバコガ/ハモグリバエ/アザミウマに悩んでいる

  • グレーシア乳剤の希釈倍率(2000倍)や収穫前日まで使えるかを確認したい

  • 作用機構(IRAC 30)やローテーション混用可否の考え方を知りたい

1. 商品概要

分類

選択性殺虫剤/IRACコード30

有効成分

フルキサメタミド 10%(乳剤)

包装

100mL/250mL/500mL/5L

主な対象害虫

チョウ目害虫(ヨトウムシ類・ハスモンヨトウ・オオタバコガ・ウワバ類・シロイチモジヨトウ・ハイマダラノメイガ 等)、アザミウマ類ハモグリバエ類コナジラミ類ハダニ類

使用場面

発生初期〜幼虫若齢期収穫前日まで使える作物が多い(作物別適用を参照)。

提供形態

乳剤(希釈散布)。無人航空機適用がある作物もあり。

注意:

必ず最新の登録ラベルを確認し、本剤の使用回数/有効成分(フルキサメタミド)の総使用回数を守ってください。


2. 特長・メリット

2‑1. 速効+持続(約2週間の加害抑制)

散布後すばやく摂食停止〜致死に至らせ、収穫直前の被害の出方を抑制。約2週間の加害抑制を確認。


2‑2. 葉裏まで効く「浸達性」+耐雨性

葉表散布でも葉裏の害虫に効果。降雨後も効力が低下しにくい性質。


2-3. 高温・低温でも安定/抵抗性個体群にも有効

15℃〜35℃で効力の変動が小さい試験結果。既存剤に抵抗性のアザミウマ類やコナガにも高い活性。


2-4. 使い勝手(ミツバチ・マルハナバチ翌日導入可)

受粉用ハチの翌日導入が可能(導入当日の散布は避ける運用が無難)。


ポイント

IRAC 30である点を活かし、5(スピノイド)/6(アバメクチン系)/28(ジアミド)など作用機構の異なる剤週替わりローテーションに組み込みやすい。



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3. 導入事例・実証データ

温度と効力:

キャベツ葉片処理・ハスモンヨトウ試験で、15℃/25℃/35℃の3条件でも効果の変動が小さいことを確認。


アザミウマ類個体群:

国内各地のミナミキイロアザミウマ/ミカンキイロアザミウマ成虫に対し、2000倍散布で高い死虫率(処理3日後)。


持続性:

約2週間の加害抑制性をメーカーが提示。

4. 使い方・適切な散布/設置手順


作物別の基本(抜粋)

作物

対象害虫

希釈倍率

使用液量

使用時期

使用回数

イチゴ

アザミウマ類、ハスモンヨトウオオタバコガハダニ類 ※地域資料でアブラムシ類の適用掲載あり

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

本剤2回以内フルキサメタミド総使用2回以内

ナス

ハスモンヨトウオオタバコガハモグリバエ類、アザミウマ類、コナジラミ類、ハダニ類

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

本剤2回以内(総使用2回以内)

キュウリ

アザミウマ類、ハスモンヨトウウリノメイガ、ハダニ類、コナジラミ類、ハモグリバエ類

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

本剤2回以内(総使用2回以内)

散布のコツ(共通)
  1. 発生初期/若齢幼虫期をねらう(遅れると残渣・穿入によりムラ)。

  2. 展着剤の要否はラベルまたは地域慣行に従う

  3. 葉裏まで届くように、到達性の高いノズル・圧で均一付着

  4. ローテーション:IRAC 30連用は避け、5/6/28/10Aなどと週替わりに。

  5. 受粉昆虫散布当日は隔離し、翌日から再導入

5. 関連資材との相乗効果

資材

目的

使用タイミング

ゼンターリ顆粒水和剤

若齢ヨトウ対策/ローテーション

発生初期に交互散布

プレバソン®フロアブル5

オオタバコガ・ハスモンヨトウの輪番

世代交代ごとにローテ

ホリバー(イエロー/ブルー)

アザミウマ・コナジラミのモニタリング・捕獲

通年設置+更新

Tip:生物農薬や天敵を併用する場合は、薬害・影響情報(メーカー資料/地域指導)を必ず確認。

6. FAQ

Q1:イチゴに使えますか?希釈倍率と収穫前日数は?

A:はい。2000倍、100〜300L/10a、収穫前日まで本剤2回以内(フルキサメタミド総使用2回以内)が目安です(最新ラベルでご確認ください)。


Q2:ナスのハモグリバエ類にも効きますか?

A:適用があります。2000倍、収穫前日まで、本剤2回以内です。穿入前の発生初期散布がコツ。


Q3:キュウリのヨトウムシやオオタバコガにも?

A:適用があります。2000倍、収穫前日まで、本剤2回以内。若齢幼虫期に均一付着を。


Q4:ミツバチやマルハナバチへの影響は?

A:翌日導入が可能とされています(散布当日は隔離運用を推奨)。


Q5:ローテーションはどう組む?

A:IRAC 30の連用は避け、IRAC 5/6/28/10Aなど異なる作用機構と交互に。多発時は7〜10日間隔でプログラムを。

7. まとめ


グレーシア乳剤は、速効性+約2週間の持続葉裏まで届く浸達性耐雨性温度変動に強い安定性を兼ね備えたIRAC 30の選択性殺虫剤。

イチゴ・ナス・キュウリヨトウムシ/オオタバコガ/ハモグリバエ対策に、発生初期2000倍を基本にローテーション設計で。

最新ラベルを確認のうえ、最適な防除プログラムに組み込みましょう。



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