アファーム乳剤はどうやって使う?─イチゴ、トマト、ナス、キュウリのアザミウマ、コナジラミ、オオタバコガなど幅広く防除するアファーム乳剤の使い方を徹底解説!
- 爽 花香
- 7月2日
- 読了時間: 4分
更新日:8月22日

ハウス内で突然増えるアザミウマやコナジラミ、花や果実に潜り込むオオタバコガ、ハスモンヨトウ――。防除に失敗すると品質低下と収量ロスは避けられません。
そんな悩みを“一発で止める”切り札が アファーム乳剤(有効成分:エマメクチン安息香酸塩 1.0 %)。素早い効能で害虫の摂食を数時間でストップし、24 時間以内に高い致死率を示します。
登録作物は60種以上・対象害虫は30種超。収穫前日まで使用できる柔軟性もあり、施設園芸農家の“常備薬”として長年信頼されています。
1. 商品概要
分類 | 選択性殺虫剤 |
|---|---|
有効成分 | エマメクチン安息香酸塩 1.0 %(IRACコード:6(神経・筋肉作用)) |
主な対象害虫 | アザミウマ類、コナジラミ類、オオタバコガ、ハスモンヨトウ |
使用時期 | 発生初期〜収穫前日 |
提供形態 | 100 mL/250 mL/500 mL ボトル |
2. 特長・メリット
2‑1.速効性と浸達性で害虫を一掃
散布後、数時間で摂食停止、24 時間以内に90 %超の致死率。
2‑2.幅広い殺虫スペクトラム
60作物・30害虫に登録。吸汁性害虫とチョウ目幼虫を同時に防除。
2‑3.収穫前日まで使えて残留リスクが低い
分解が速く、“収穫前日使用OK”。出荷調整期の追い込み散布に◎。
ポイントBOX:他剤との比較
薬剤 | アファーム乳剤 | アグリメック乳剤 | カウンター乳剤 |
|---|---|---|---|
即効性(摂食停止までの時間) | 2〜3 h | 4〜6 h | 1〜2日 |
適用作物数(登録品目) | 約60種 | 約45種 | 約25種 |
収穫前使用制限〈トマト〉 | 前日 | 7日前 | 1番花開花前まで(収穫期使用不可) |
3. 導入事例・実証データ
地域・規模 | 作物・栽培方式 | 散布量・時期 | 主な結果 |
熊本県・20a | トマト・ハウス | 2000倍、250L/10a、1齢幼虫発生時 | 被害果率 5%→0.5%、商品果率95% |
高知県・25a | ナス・促成栽培 | 2000倍、300L/10a、初発生時 | 被害果率 8%→1%、追肥回数1回削減 |
千葉県・10a | トマト・施設栽培 | 2000倍、250L/10a、高温期の予防散布 | 被害株率 12%→1%、収量10%増加 |
4. 使い方・適切な散布/設置手順
準備物:アファーム乳剤、水、動力噴霧器、展着剤、保護具。
希釈倍率:2,000倍。
タイミング:害虫発生初期。
手順ステップ:
①タンク半量の水に薬量を溶かしよく攪拌。
②規定水量まで希釈し再攪拌。
③葉裏まで届くよう下向きノズルで丁寧に散布。
注意点:気温35 ℃以上は薬害リスクあり。ミツバチ放飼前後3日間は散布を避ける。
Tip:
湿度50–60 %で散布すると液が葉裏にとどまり、防除効果が向上。
5. 関連資材との相乗効果
資材 | 目的 | 使用タイミング |
|---|---|---|
マッチ乳剤 | チョウ目害虫に対するローテーション散布(IRAC:15(脱皮阻害)) | アファーム散布7日後or散布3週間前 |
プレオフロアブル | チョウ目害虫に対するローテーション散布(IRAC:UN) | アファーム散布7日後or散布2週間前 |
アクタラ顆粒水溶剤 | 微小害虫に対するローテーション散布、予防的な散布(IRAC:4A(神経作用) | アファーム散布7日後or散布3週間前 |
6. FAQ
Q1:アファーム乳剤はハダニにも効きますか?
A:主作用はチョウ目・吸汁性害虫ですが、イチゴでのハダニ抑制効果が報告されています。多発時は他剤とのローテーションを推奨します。
Q2:収穫直前に散布しても残留農薬基準は大丈夫?
A:イチゴ・トマト・キュウリ・ナスは「収穫前日まで使用可」との登録があります。規定倍率と散布間隔を守れば基準値は守ることができます。
Q3:天敵製剤との併用はできますか?
A:天敵カブリダニ類への急性影響は低〜中程度。放飼7日前までに散布を済ませるのが安全です。
7. まとめ
アファーム乳剤は「速効×幅広防除×収穫前日OK」がそろった頼れる薬剤です。アザミウマ・コナジラミ・チョウ目害虫をまとめて抑え、品質低下・収穫ロスを軽減します。
ただし、本剤の連続した散布は害虫の抵抗性発達の原因となります。作用機序の異なる他剤とのローテーション散布を基本とし、持続可能な防除を目指しましょう。








