top of page

ベネビアODはどうやって使う?─コナジラミ、アザミウマ、アブラムシ、ハモグリバエ、チョウ目害虫を広く防除するベネビアODの使い方を徹底解説!

ree

白い粉のようなコナジラミ、みるみる葉を銀化させるアザミウマ、増殖が速いアブラムシ、葉をミニトンネル状に食害するハモグリバエ、さらにオオタバコガやハスモンヨトウなどのチョウ目幼虫――複数害虫が同時に出ると、防除ローテーションや希釈倍率使用回数の管理が一気に難しくなります。


ベネビアOD(有効成分:シアントラニリプロール/IRAC28)は、吸汁性害虫~チョウ目幼虫まで“クロススペクトラム”で対応でき、発生初期〜若齢期に残効性食害停止効果を発揮する選択性殺虫剤です。


主要野菜・いちご・豆類などで収穫前日まで使える適用が多く、無人航空機(ドローン)散布の登録も拡大しています。本記事では適用作物・適用害虫・希釈倍率・収穫前日数(PHI)・使用回数・散布タイミング・混用の考え方・ローテーション(抵抗性管理)まで、実務目線で整理します。必ず最新ラベルで最終確認のうえご使用ください。


こんな方におすすめ

  • トマト・きゅうり・ピーマン・いちご・レタス類などでコナジラミ/アザミウマ/アブラムシ/ハモグリバエ/チョウ目幼虫に悩んでいる

  • ベネビアODの導入効果を事前に把握したい

  • 希釈倍率・使用回数・収穫前日数・ドローン散布などの要点を短時間で確認したい


1. 商品概要

分類

選択性殺虫剤/IRAC 28ジアミド系:シアントラニリプロール)/剤型:水和剤(OD)

主な対象害虫

コナジラミ類/アザミウマ類/アブラムシ類/ハモグリバエ類/チョウ目幼虫(オオタバコガ、ハスモンヨトウ、コナガ、ヨトウムシ、シロイチモジヨトウ など)

使用場面

発生初期~若齢幼虫期、収穫前日まで使用可の作物が多い/定植直後の株元灌注無人航空機(UAV)散布の登録あり(作物により異なる)

提供形態

ボトル

2. ベネビアODの特長・メリット

2‑1. クロススペクトラムで“これ一つ”の場面が作れる

吸汁性害虫(コナジラミ/アザミウマ/アブラムシ)~チョウ目幼虫まで広く適用。ローテーションの軸に置きやすい。


2‑2. 速やかな食害停止・吸汁抑制と高い残効性

葉層内への浸達性局所移行性によって、若齢期の害虫に高い効果。耐雨性データあり(詳細は技術資料参照)。


2‑3. 使いやすい希釈倍率と収穫前日までの適用が多い

多くの野菜で2000倍(吸汁性)/2000~4000倍(チョウ目)100~300L/10a使用液量。現場の慣行ボリュームに合わせやすい。


ree

3. 導入例

作物名/作型

投入量・時期(希釈・液量・回数)

結果/効果(要点)

トマト(長期作・施設)

2000倍200〜300L/10a発生初期に全面散布。必要に応じて定植直後の株元灌注1回以内+生育期散布(ラベル内回数)。

コナジラミ密度の立ち上がり抑制黄化葉巻病の媒介リスク低減ハモグリバエの新規潜孔減少、若齢オオタバコガの食害停止。次処理はIRAC差替えでローテ。

ミニトマト(半促成)

2000倍150〜250L/10a発生初期に1〜2回散布(ラベル範囲内)。

収穫前日まで使えるため後期の残果被害を軽減。収穫期の吸汁害虫リスクを低位で推移

きゅうり(抑制〜促成)

2000倍120〜200L/10a初期散布、葉裏まで付着重視。

アザミウマの銀葉化抑制/芯葉保護ウリノメイガ初期食害の停止芯止まりを回避

ピーマン(半促成)

吸汁性:2000倍、チョウ目:2000〜4000倍150〜250L/10a若齢期ねらい

新芽・花器の被害軽減果実表面の加害低減散布間隔はラベル準拠、以降は他系統とローテ

いちご(育苗〜定植後)

定植直後の株元灌注1回以内2000倍散布(100〜300L/10a)。初期密度が低い時から計画的に。

アザミウマの花器被害・奇形果の減少傾向コナジラミの定着抑制天敵導入と併用で安定。

レタス(露地・半結球含む)

吸汁・ハモグリ:2000倍、チョウ目:2000〜4000倍100〜200L/10a初期散布

ハモグリの新規潜孔を抑制若齢チョウ目の食害停止外観品質を確保。一部UAV20倍の活用事例あり(作物条件に準拠)。

※上記はラベル・メーカー技術資料で推奨される使い方の範囲での効果傾向を整理したものです。圃場条件で効果は変動します。最新ラベルの遵守と、自圃場での小面積試験を推奨します。

4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物

    計量カップ、撹拌棒、噴霧器(動力・自走・ブーム・無人航空機など)、保護具。


  2. 希釈倍率

    吸汁性害虫は2000倍、チョウ目幼虫は2000~4000倍が基本。使用液量は100~300L/10a(葉裏まで十分に付着)。


  3. タイミング

    発生初期~若齢期。密度上昇前に予防的に先手。いちご等で株元灌注が可能な場面は定植直後1回以内に限定(作物による)。


  4. 手順

    タンクに半量の水→所定量を正確に添加→よく撹拌→規定量まで注水→散布。ドリフトはね返りに注意し、葉裏・新芽へ確実に到達させる。


  5. 注意点

    同一世代での28連用禁止本剤使用回数(多くは3回以内)と成分総回数(多くは4回以内)を順守。混用はラベルや各社情報で可否確認。収穫前日数の差に注意(例:たまねぎ14日前、だいず・ばれいしょ等7日前)。



ベネビアOD 作物別適用表(2025年1月15日ラベル準拠)

下表は最新ラベル情報に基づく主要作物の抜粋です。実際の使用前に、手元の製品ラベルで最終確認してください。

作物名

適用害虫名

希釈倍数(散布)

使用液量

使用時期

本剤使用回数(内訳)

成分総使用回数

トマト・ミニトマト

オオタバコガ/ハモグリバエ類/コナジラミ類/アザミウマ類/アブラムシ類/トマトキバガ

2000倍(吸汁・ハモグリ等)/2000~4000倍(オオタバコガ)

100~300L/10a

収穫前日まで

散布3回以内株元灌注:定植時まで~定植直後 合計1回以内+定植後1回以内

5回以内

きゅうり

アブラムシ類/コナジラミ類/アザミウマ類/ハモグリバエ類/ウリノメイガ/ウリハムシ

2000倍

100~300L/10a

収穫前日まで

4回以内(定植時まで~定植直後の灌注 合計1回以内/定植後の散布3回以内)

ピーマン

アブラムシ類/コナジラミ類/アザミウマ類/オオタバコガ

2000倍(吸汁)/2000~4000倍(オオタバコガ)

100~300L/10a

収穫前日まで

4回以内(定植時まで~定植直後の灌注 合計1回以内/定植後の散布3回以内)

ししとう

アブラムシ類/コナジラミ類/アザミウマ類/オオタバコガ

2000倍(吸汁)/2000~4000倍(オオタバコガ)

100~300L/10a

収穫前日まで

4回以内灌注1回以内/散布3回以内)

いちご

アブラムシ類/コナジラミ類/アザミウマ類/カキノヒメヨコバイ/チバクロバネキノコバエ/ハスモンヨトウ

2000倍(吸汁・ハモグリ等)/2000~4000倍(チョウ目)

100~300L/10a

収穫前日まで

4回以内(定植時まで~定植直後の灌注 合計1回以内/定植後の散布3回以内)

レタス・非結球レタス

アブラムシ類/ハモグリバエ類/チョウ目(オオタバコガ等)

2000倍(吸汁・ハモグリ)/2000~4000倍(チョウ目)

100~300L/10a

収穫前日まで

3回以内

4回以内(定植時まで1回以内/定植後3回以内)

ねぎ

シロイチモジヨトウ/アザミウマ類/ハモグリバエ類/ネギコガ

2000倍

100~300L/10a

収穫前日まで

3回以内

4回以内(定植時まで1回以内/定植後3回以内 ※株元灌注は1回以内

たまねぎ

シロイチモジヨトウ/ハスモンヨトウ/ハモグリバエ類/アザミウマ類

2000倍(ハモグリ・チョウ目等)/2000~4000倍(アザミウマ類)

100~300L/10a

収穫前日まで

3回以内


5. 関連資材との相乗効果

商品名/資材

目的

使用タイミング

ホリバーシート (イエロー/ブルー)

コナジラミ/アザミウマの発生把握・物理捕殺

定植直後から常設、密度把握で散布閾値を判断

シルバーアルミマルチ

アブラムシ飛来抑制・地温抑制・雑草抑制

定植直後~初期

スワマイト(スワルスキーカブリダニ)


発生抑制の持続化(薬剤ローテの間隙を埋める)

初期密度が低い時に計画的導入

6. FAQ

Q1:ハダニにも効きますか?

Aハダニ類は適用外です。ハダニ防除は殺ダニ剤系統(例:IRAC 20D/21/10B等の適合剤)と物理・環境対策を併用してください。

Q2:混用は可能?展着剤は必要?

A:混用可否は相手剤により異なります。メーカー資料に混用事例はありますが、必ずラベル・SDSで確認し、小面積試験を推奨。展着剤はラベルで指定がない限り必須ではありませんが、葉裏付着の改善が必要な場面では検討します。

Q3:ドローン散布の倍率は?

A作物により20倍/32倍/40倍など設定が異なります。吐出量(L/10a)とノズル径を守り、飛行高度・速度はラベル推奨に合わせます。

Q4:収穫前日まで使える作物は?

A:多くの野菜で前日まで使用可ですが、たまねぎ14日前、だいず・ばれいしょ・やまのいも等7日前など例外があります。必ず作物別ラベルをご確認ください。

7. まとめ


ベネビアODは、コナジラミ・アザミウマ・アブラムシ・ハモグリバエ・チョウ目幼虫まで広域対応でき、発生初期~若齢期に「食害停止/吸汁抑制×残効」で効かせやすいのが強み。


2000倍(吸汁性)/2000~4000倍(チョウ目)を基準に、PHIと使用回数を守り、IRACローテIPM資材を組み合わせれば、長期作でも防除の確実性が上がります。



アセット 68.png
最新記事
​カテゴリー
タグ

 © 2023 bioEgg Inc.

bottom of page