アカリタッチはどうやって使う? ─イチゴ、ナスに付くハダニやうどんこ病を防除するアカリタッチの使い方を徹底解説!
- hinatamagawa5j
- 5月26日
- 読了時間: 4分
更新日:7月4日

イチゴやナスを栽培していると、ハダニの急激な増殖やうどんこ病の白い斑点に頭を抱える場面が少なくありません。被害を放置すると光合成量が低下し、秀品率が大きく下がります。そこで役立つのが食品添加物由来の物理系殺ダニ・殺菌剤「アカリタッチ乳剤」です。希釈・散布するだけで、ハダニの成虫・幼虫を素早く脱水死させ、同時にうどんこ病菌の胞子発芽も抑制。さらに収穫前日まで使用でき、使用回数制限もなしという扱いやすさが魅力です。本記事では、ラベル情報と試験データをもとにした信頼性の高い使い方ガイドをお届けします。
こんな方におすすめ
野菜・果樹栽培でハダニやうどんこ病が増えて困っている
抵抗性ハダニにも効く資材を探している
アカリタッチの希釈倍率や散布タイミングを具体的に知りたい
1. 商品概要
分類 | 物理作用型殺ダニ・殺菌剤(食品添加物系) |
---|---|
主な対象 | ハダニ類・うどんこ病菌 |
使用場面 | 生育初期〜収穫期(収穫前日まで散布可) |
提供形態 | 500 mL ボトル |
2. 特長・メリット
2‑1. 人と環境、天敵にやさしい
有効成分はプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル 70 %(食品添加物)で、普通物。
チリカブリダニやミツバチへの影響が極めて小さいため、天敵放飼ハウスでも使用可。
2‑2. 抵抗性ハダニにも速効
気門を封鎖→窒息死させる物理的作用で、薬剤抵抗性が進んだナミハダニ・カンザワハダニにも90 %以上の殺虫率。
2‑3. 収穫直前まで&回数制限なし
PHI(Pre‑Harvest Interval)は1日。ラベル上の回数制限がなく、病害虫が再発した際もローテーション散布しやすい。
ポイントBOX:主要殺ダニ剤比較(ハダニ成虫殺虫率/天敵影響/収穫前日使用可)
資材 | 成虫殺虫率 | 天敵影響 | 収穫前日散布 |
---|---|---|---|
アカリタッチ | ★★★★★ | 低 | 0日(前日可) |
アファーム乳剤 | ★★★☆☆ | 中 | 0日 |
バロックフロアブル | ★★★★★ | 中 | 0日 |
※ イチゴ、ナスの数値。使用の際には登録ラベル遵守。
3. 導入事例・実証データ
ケース | 作物・栽培 | 投入量・時期 | 効果 |
千葉県・30a | イチゴ・高設栽培 | 1,500倍200 L/10a散布(ハダニ初発生時) | 7日後のハダニ密度90 %減、収穫減少ゼロ |
山梨県・15a | ブドウ・棚栽培 | 1,200倍300 L/10a散布(開花後ハダニ発生初期) | 5日後成虫減少率92 %、果実のかすり症状大幅減少 |
茨城県・1ha | サツマイモ・露路栽培 | 2,500倍250 L/10a散布(つる伸長期) | 散布2週間後のうどんこ病病斑面積75 %抑制、収量4 %増 |
4. 使い方・適切な散布/設置手順
準備物:アカリタッチ乳剤、計量カップ、動噴または電動スプレー、pH 6‑8の水。
希釈倍率 or 設置個体数:ハダニ=1,000–3,000倍、うどんこ病=2,000倍。
タイミング:
ハダニ:発生初期(葉裏に1‑2匹確認)
うどんこ病:発病初期の病斑出現時
手順ステップ:
水量の1/3をタンクに入れ、薬剤を計量して投入。
十分撹拌後、残りの水を加えて再撹拌。
葉の表裏にていねいに、濡れムラが残らないよう全面散布。
注意点:
高温(気温30 ℃超)・日中乾燥時の散布は薬害リスクが上がるため朝夕が推奨。
展着剤は加用しない
散布液が溜まるような状態では、登録範囲内の少ない使用液量で散布
Tip:散布後1〜2時間は換気を控えて湿度を保持すると、ハダニ移動を抑え効果が安定。
5. 関連資材との相乗効果
資材 | 目的 | 使用タイミング |
---|---|---|
カリグリーン水和剤 | うどんこ病のローテーション散布 | 病勢拡大期に7日後散布 |
セイビアーフロアブル | 灰色かび病を抑制 | 天敵への影響がほとんどない |
チリトップ(チリカブリダニ剤) | ハダニ長期抑制 | アカリタッチ散布翌週に天敵放飼 |
6. FAQ
Q1:ハダニの卵にも効きますか?
A:物理作用は主に成・幼虫に速効で、卵には効果が限定的です。ローテーションで卵致死効果を持つ薬剤(セイビアーなど)と併用すると持続性が高まります。
Q2:うどんこ病が進行してからでも間に合いますか?
A:発病後は効果が落ちるため、5‑7日間隔で連続2回散布し、病斑が広い葉は思い切って除去しましょう。
Q3:天敵導入ハウスでも安全?
A:チリカブリダニ・ミツバチの影響評価で「微影響以下」とされており、導入3日後から散布可能です。
7. まとめ
アカリタッチ乳剤は、人と環境にやさしく、抵抗性ハダニにも強い頼れる味方です。イチゴ・ナスを収穫直前まで守りながら、うどんこ病も同時に抑えられる点が最大のメリット。まずはハダニ・白い斑点を見つけたら早期散布を心掛け、天敵や他剤とのローテーションで安定した防除体系を構築しましょう。