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トレボン乳剤はどうやって使う? ─コナジラミ・アブラムシを防除するトレボン乳剤を徹底解説!

  • 4 日前
  • 読了時間: 8分

施設トマトやなす、きゅうりでコナジラミ類アブラムシ類が一気に増え、葉裏がベタつき、すす病でハウス全体が黒ずんでしまった——そんな経験はありませんか。


コナジラミは黄化葉巻病(TYLCV)などウイルス病の媒介者でもあり、密度を上げてからでは手遅れになりがちです。


トレボン乳剤は有効成分エトフェンプロックスを20.0%含む合成ピレスロイド様の殺虫剤で、速効的なノックダウン効果残効性を兼ね備え、水稲から野菜・果樹・花き・樹木類まで非常に幅広い作物に登録があるロングセラー剤です。


本記事では、コナジラミ・アブラムシ防除を中心に、トレボン乳剤の使い方・適用表・IPM体系での組み込み方を、公開情報をもとに徹底的に整理します。


こんな方におすすめ


  • トマト・なす・きゅうりなどのコナジラミ類・アブラムシ類に悩んでいる方

  • トレボン乳剤の導入を検討しているが、適用作物・希釈倍数・収穫前日数を事前に確認したい方

  • 1剤で多くの作物・害虫をカバーできる汎用殺虫剤を探している方

  • 抵抗性対策やローテーションの中での位置づけを知りたい方


1. 商品概要

分類

殺虫剤(合成ピレスロイド様化合物)

種類名

エトフェンプロックス乳剤

有効成分

エトフェンプロックス 20.0%

作用機構コード

IRAC 3A(ナトリウムチャネルモジュレーター/ピレスロイド系)

製剤形態

乳剤(淡黄色澄明可乳化油状液体)

毒性区分

普通物(毒劇物に該当しない)

主な対象害虫

コナジラミ類、アブラムシ類、アザミウマ類、コナガ、ヨトウムシ、アオムシ、カメムシ類、ウンカ・ヨコバイ類 など

主な使用場面

露地・施設栽培の広範な野菜・果樹・花き、水稲、樹木類。IPM体系では発生初期〜中期の密度抑制に

製造販売元

三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社(販売:クミアイ化学工業ほか)

最新事項変更登録日

2025年10月7日(適用拡大登録)

2. 特長・メリット

2‑1. ピレスロイド系ならではの速効的ノックダウン(IRAC 3A)

作用機構はIRAC 3A(ナトリウムチャネルモジュレーター)。神経の興奮を持続させて害虫を麻痺させ、散布後すぐに動きを止める速効性が最大の特長です。コナジラミ成虫やアブラムシのように増殖の速い害虫の「初発時の叩き込み」に向きます。

2‑2. 圧倒的に広い適用範囲と汎用性

稲・麦・豆類・いも類・果菜・葉菜・果樹(かんきつ・マンゴー)・花き・樹木類まで適用作物が非常に広いのが強みです。1本で複数作物・複数害虫をカバーでき、経営的にも在庫管理がしやすい汎用殺虫剤です。

2‑3. 普通物で扱いやすく、残効性も両立

普通物(毒劇物外)のため取り扱いの負担が比較的小さく、クモなど一部の捕食性天敵や鳥類への影響が小さいとされます。一方でミツバチには影響があり、訪花期の散布や養蜂地域での使用には注意が必要です。

ポイント

ピレスロイド系(IRAC 3A)は連用すると抵抗性が発達しやすいグループです。同じコナジラミ・アブラムシに効く別系統剤(IRAC 4A ネオニコチノイド、9B フロニカミド、23 スピロメシフェンなど)と必ずローテーションし、3A単独の連続使用は避けてください。


3. 導入例

作物名/作型

投入目的

投入量・時期

期待される効果

施設栽培なす

定植後のコナジラミ類・アブラムシ類の初発時密度抑制

1000倍(コナジラミ類)/1000〜2000倍(アブラムシ類)、収穫前日まで、本剤3回以内

成虫の速やかなノックダウン、すす病・ウイルス媒介リスクの低減

露地キャベツ

コナガ・アオムシ・ヨトウムシ・アブラムシの同時防除

1000〜2000倍、収穫3日前まで、本剤3回以内

チョウ目害虫とアブラムシをまとめて低密度化

施設トマト

コナジラミ類の密度抑制(黄化葉巻病媒介対策)

1000倍、収穫前日まで、本剤2回以内

媒介虫の急速な密度低下

4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    動力/背負噴霧器、計量カップ、保護具(手袋・マスク・保護メガネ)、必要に応じて展着剤(ダイン等)。乳剤なので水でそのまま希釈できます。


  2. 希釈倍率:

    対象作物・害虫で異なります。コナジラミ類は1000倍、アブラムシ類は1000〜2000倍が代表値。必ずラベルの該当作物欄を優先してください。


  3. タイミング:

    コナジラミ・アブラムシともに発生初期(低密度のうち)に処理するのが鉄則。成虫が増えてからでは効果が出にくくなります。コナジラミは葉裏に潜むため葉裏処理を徹底します。


  4. 手順ステップ:

    所定倍率に希釈→十分に撹拌→葉表・葉裏にむらなく散布→残液は使い切る量を調製し適切に処理。


注意点:


収穫前日数・本剤使用回数・成分総使用回数を必ず厳守(作物ごとに異なる)。ミツバチには影響があるため、訪花期・養蜂地域での散布は避け、関係機関へ情報提供を。高温時の薬害回避、混用は事前確認を。


作物別適用表(FAMIC農薬登録情報提供システム/メーカー適用表ベース)

作物名

適用害虫名

希釈倍数

使用液量(10a)

使用時期

本剤使用回数

総使用回数

 

トマト

コナジラミ類

1000倍

100〜300L

収穫前日まで

2回以内

2回以内

なす

アブラムシ類

1000〜2000倍

100〜300L

収穫前日まで

3回以内

3回以内

なす

コナジラミ類

1000倍

100〜300L

収穫前日まで

3回以内

3回以内

きゅうり

アブラムシ類、コナジラミ類

1000倍

100〜300L

収穫前日まで

3回以内

3回以内

ピーマン

アブラムシ類

1000倍

100〜300L

収穫前日まで

3回以内

3回以内

メロン

アブラムシ類、コナジラミ類

1000倍

100〜300L

収穫前日まで

4回以内

4回以内

キャベツ

アブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、アオムシ

1000〜2000倍

100〜300L

収穫3日前まで

3回以内

3回以内

はくさい

アブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、アオムシ

1000〜2000倍

100〜300L

収穫7日前まで

3回以内

3回以内

だいこん

アブラムシ類、コナガ、ヨトウムシ、アオムシ

1000〜2000倍

100〜300L

収穫21日前まで

3回以内

3回以内

ウンカ類、カメムシ類、ツマグロヨコバイ

1000〜2000倍(散布)

60〜150L

収穫14日前まで

3回以内

3回以内

かんきつ

チャノキイロアザミウマ、ミカンハモグリガ

1000〜2000倍

200〜700L

収穫前日まで

3回以内

3回以内


Tip

コナジラミは早朝に動きが鈍く葉裏に集まっているため、早朝〜午前の葉裏処理が効果的です。気温が極端に高い日中の散布は薬害・効果ムラの原因になります。


5. 関連資材との相乗効果

トレボン乳剤(IRAC 3A)は単剤連用で抵抗性が発達しやすいため、IPM体系の中で作用機構の異なる実在の登録農薬・資材と組み合わせるのが基本です。

商品名

組み合わせ目的

アルバリン顆粒水溶剤

トレボン乳剤とは系統が違う薬剤です。コナジラミ・アブラムシ・アザミウマ対策で、同じ系統の連用を避けたいときのローテーションに使えます。

ウララDF

アブラムシやコナジラミに使いやすく、天敵への影響が比較的小さい薬剤です。天敵を使っている圃場で、害虫の密度を抑えたいときの候補になります。

スワルスキー

コナジラミやアザミウマを食べる天敵カブリダニです。害虫が増えてからではなく、発生が少ないうちに入れて予防的に抑える目的で使います。

ボタニガードES

微生物を利用した殺虫剤で、トレボン乳剤とは効き方が大きく異なります。コナジラミ対策や、抵抗性対策として薬剤ローテーションに組み込みたいときに使えます。

ダイン

薬剤を葉に広がりやすくする展着剤です。トレボン乳剤を散布するときに混用することで、葉裏にいるコナジラミなどに薬液を届きやすくする目的で使います。


6. FAQ

Q1:トレボン乳剤はトマトのコナジラミに何回まで使えますか?

Aミツバチには影響があります。巣箱周辺への飛散を避け、訪花期・養蜂地域では使用を控え関係機関へ情報提供を。ピレスロイド系は天敵カブリダニ類への影響も残りやすいため、天敵放飼区では放飼前後に十分な間隔をとり、最新の影響期間表で確認してください。

Q2:トレボン乳剤はミツバチやマルハナバチ、天敵カブリダニと併用できますか?

Aミツバチには影響があります。巣箱周辺への飛散を避け、訪花期・養蜂地域では使用を控え関係機関へ情報提供を。ピレスロイド系は天敵カブリダニ類への影響も残りやすいため、天敵放飼区では放飼前後に十分な間隔をとり、最新の影響期間表で確認してください。

Q3:トレボン乳剤と展着剤や他剤は混用できますか?

Aダイン等の展着剤との混用で葉裏付着が高まります。ただしアルカリ性資材(石灰硫黄合剤・ボルドー液など)との混用は避けるのが無難です。混用は必ずメーカーの混用事例・ラベル注意を確認してください。

Q4:効きが悪くなった気がします。どうローテーションすればよいですか?

Aピレスロイド系(IRAC 3A)はコナジラミ・アブラムシで抵抗性が問題化しやすい系統です。IRAC 4A(アルバリン)、9B(ウララDF)、23(スピロメシフェン剤)など別系統に切り替え、天敵製剤も組み合わせてください。

Q5効果が出にくいときに見直すべきポイントは?

A(1)葉裏処理ができているか、(2)散布タイミングが発生初期か(密度が上がってからでは不利)、(3)希釈倍数・水量が適正か、(4)展着剤で付着を高めているか、(5)同系統の連用で抵抗性が出ていないか——をチェックしてください。

7. まとめ


トレボン乳剤はエトフェンプロックス20.0%・IRAC 3Aの合成ピレスロイド様殺虫剤で、速効的なノックダウンと幅広い適用作物が魅力です。

コナジラミ・アブラムシの発生初期に葉裏処理で叩き込み、別系統剤や天敵製剤とローテーションすることで、抵抗性を抑えつつ低密度を維持できます。収穫前日数・使用回数・ミツバチへの影響を必ず守ってご活用ください。



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