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アフェットフロアブルはどうやって使う?─トマト、いちご、なす、きゅうり、ぶどうなどの灰色かび病、うどんこ病、菌核病を防除するアフェットフロアブルの使い方を徹底解説!

  • 15 分前
  • 読了時間: 10分

施設栽培で湿度が上がる時期に必ず悩まされる灰色かび病、夏場の果菜類で猛威を振るううどんこ病、葉物・果菜類の収穫間際に発生して致命傷となる菌核病──これらに広いスペクトラムで効くのがアフェットフロアブルです。

有効成分ペンチオピラドはSDHI(コハク酸脱水素酵素阻害)系統に属し、既存薬剤耐性菌にも有効な予防+治療効果を持ちます。本記事では、希釈倍数・使用時期・耐性菌管理の考え方・関連資材との組み合わせまで、FAMIC公式情報とメーカー資料をもとに徹底解説します。


注意:以下の内容は2026年5月時点で公開されている情報をもとにまとめたものです。実際に使用される際は必ず最新のアフェットフロアブルのラベル・農林水産省「農薬登録情報提供システム」・メーカー公式情報をご確認ください。本記事は「アフェットフロアブル(登録番号:第22209号/三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社)」を対象に解説します。


こんな方におすすめ

  • 施設栽培の果菜類・いちご・葉菜類で灰色かび病・うどんこ病・菌核病に悩んでいる方

  • 収穫前日まで使える殺菌剤のレパートリーを増やしたい方

  • 果樹(りんご・なし・もも・ぶどう)の主要病害をワンショットで対応したい方


1. 商品概要


分類

殺菌剤(SDHI系・チオフェンカルボキサミド系)

登録番号

第22209号

有効成分

ペンチオピラド 20.0%

作用機構コード

FRAC 7(C2):コハク酸脱水素酵素(SDH)阻害剤=SDHI

製剤形態

フロアブル(類白色水和性粘稠懸濁液体)

主な対象病害

灰色かび病、うどんこ病、菌核病、葉かび病、すすかび病、輪斑病、黒星病、赤星病、斑点落葉病、褐斑病、さび病、白絹病、黒腐菌核病、葉枯病 など

主な使用場面

施設果菜類(トマト・いちご・きゅうり等)の予防+治療散布、果樹の主要病害防除、葉菜類・豆類の灰色かび/菌核病対策

毒性

普通物(毒劇物に該当しない)

2. 特長・メリット

2‑1. SDHI(FRAC 7)による幅広いスペクトラムと耐性菌対応

  • 有効成分ペンチオピラドは真菌のミトコンドリア複合体IIに作用してコハク酸脱水素酵素を阻害し、エネルギー生産を断ち切ります。QoI剤(FRAC 11)やベンズイミダゾール系(FRAC 1)など既存薬剤に耐性を示す菌株にも有効であることが大きな強みです。

  • 灰色かび病・うどんこ病・菌核病・葉かび病など、施設栽培で最頻出かつ多発しやすい病害に幅広く効きます。


2‑2. 多くの作物で「収穫前日まで」使用可能

  • トマト・ミニトマト・なす・きゅうり・いちご・キャベツ・はくさい・ピーマン・ししとう・たまねぎ・にら・レタス・らっかせい・だいず・えだまめなど、主要作物の多くで「収穫前日まで」使用可能です。出荷直前の病害発生時にも対応できます。

  • 本剤使用回数は多くの作物で3回以内、アスパラガス・たまねぎ・とうきなどでは4〜5回以内まで設定。


2‑3. うどんこ病に対する高い予防効果と希釈幅

  • うどんこ病については、ピーマン・トマト・ミニトマト・メロンで2000〜4000倍の希釈幅で散布可能。発生初期は2000倍、予防散布や軽症時は4000倍と状況に応じた使い分けができます。


3. 導入例

作物名/作型

投入目的

投入量・時期

期待される効果

施設栽培いちご(促成)

収穫期の灰色かび病発生初期防除

2000倍希釈、100〜300L/10a、収穫前日まで、本剤3回以内

収穫期の灰色かび病の蔓延を抑制し、果実の商品性を維持

施設栽培トマト(半促成)

葉かび病・すすかび病・灰色かび病・うどんこ病の同時対応

2000倍(うどんこ病は2000〜4000倍)、100〜300L/10a、収穫前日まで、本剤3回以内

下葉から上昇する糸状菌病害をワンショットで予防、防除暦の負担軽減

露地ぶどう(巨峰系)

灰色かび病・うどんこ病・晩腐病の予防

2000倍、200〜700L/10a、収穫7日前まで、本剤3回以内(幼果期の散布は果粉溶脱に注意)

収穫期前の主要糸状菌病害を予防、収穫品質の安定

4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    背負動力散布機またはハウス内据置式散布機、計量カップ、農薬用マスク、不浸透性手袋、長袖・長ズボン、長靴、保護メガネ。常温煙霧する場合は専用の常温煙霧装置。


  2. 希釈倍率 or 設置個体数:

    • 多くの作物・病害:2000倍希釈

    • うどんこ病(メロン・トマト・ミニトマト・ピーマン):2000〜4000倍

    • 白絹病・黒腐菌核病の株元灌注(にら・ねぎ):1000〜2000倍、0.5〜1L/㎡

    • てんさい根腐病の苗床灌注:200〜400倍

    • にんにくの黒腐菌核病種球塗沫:原液(種球重量の0.5〜1.0%)

    • 葉菜・果菜類は100〜300L/10a、果樹は200〜700L/10a。葉裏・果房・株元まで均一にむらなく散布することが効果のカギ。


  3. タイミング:

    灰色かび病・菌核病は発生初期〜予防散布が最も効果的。うどんこ病も白斑が見え始める前の予防散布でほぼ100%抑制可能。発病後に散布する場合は2000倍を選択。


  4. 手順ステップ:

    1)水を入れる→(2)容器を必ずよく振ってから規定量を量り取って加える→(3)よく撹拌→(4)葉裏・果房・株元を中心に均一散布→(5)残液は希釈して圃場処分。


  5. 注意点:

    • 収穫前日数を厳守(多くの作物は前日まで、しゅんぎく・パセリ・しそは3〜7日前、エンダイブ・しゅんぎく等は7日前、なし・りんごは前日まで、ぶどうは7日前まで、小麦・たばこ・未成熟とうもろこしは別途)。

    • 過度の連用を避け、作用性の異なる薬剤との輪番で使用する。

    • ぶどうの幼果期(小豆大)以降の散布は、果粉が溶脱するおそれがあるため避ける

    • にんにく種球塗沫の場合、処理後は風乾してから植付け。

    • ハウス常温煙霧時は、煙霧中の入室禁止・終了後6時間以上の密閉・翌朝までそのままが基本。

    • 水産動植物(魚類)に影響を及ぼすおそれがあるので、河川・養殖池等への飛散・流入を避ける。

Tip

うどんこ病は発症前の予防散布が圧倒的に効きます。施設の換気・草高管理・葉欠きと組み合わせて、発生サインが見える前にアフェットフロアブル+別系統剤の輪番予防散布を組み込んでください。


作物別適用表(FAMIC農薬登録情報提供システム調査結果ベース/アフェットフロアブル=第22209号)

作物名

適用病害名

希釈倍数

使用液量

使用時期

本剤使用回数

使用方法

トマト

灰色かび病/菌核病/葉かび病/すすかび病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

トマト

うどんこ病

2000〜4000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

ミニトマト

灰色かび病/菌核病/斑点病/葉かび病/すすかび病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

なす

灰色かび病/菌核病/うどんこ病/すすかび病/褐色斑点病/褐色円星病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

ピーマン

灰色かび病/黒枯病/斑点病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

ピーマン

うどんこ病

2000〜4000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

きゅうり

灰色かび病/菌核病/うどんこ病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

いちご

灰色かび病/うどんこ病/輪斑病/黒色根腐病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

キャベツ

灰色かび病/菌核病/株腐病/根朽病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

はくさい

黒斑病/白斑病/菌核病/尻腐病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

レタス/非結球レタス

灰色かび病/菌核病/すそ枯病/白絹病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

たまねぎ

灰色かび病/灰色腐敗病/小菌核病/黒腐菌核病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

4回以内

散布

にら

白斑葉枯病/褐色葉枯病/さび病/黒腐菌核病/白絹病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

2回以内

散布

すいか

菌核病/つる枯病/うどんこ病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

かぼちゃ

うどんこ病/つる枯病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

メロン

つる枯病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

メロン

うどんこ病

2000〜4000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

りんご

黒星病/赤星病/うどんこ病/斑点落葉病/褐斑病/モニリア病/黒点病/すす点病/すす斑病

2000倍

200〜700L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

なし

黒星病/赤星病/うどんこ病

2000倍

200〜700L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

もも/ネクタリン

灰星病/黒星病

2000倍

200〜700L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

ぶどう

灰色かび病/晩腐病/黒とう病/うどんこ病/褐斑病/さび病

2000倍

200〜700L/10a

収穫7日前まで

3回以内

散布

だいず/えだまめ

灰色かび病/菌核病/さび病/うどんこ病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布

らっかせい

白絹病/灰色かび病/菌核病/さび病/褐斑病

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

3回以内

散布



5. 関連資材との相乗効果

具体的な資材名

使い分け・組み合わせ目的

スイッチ顆粒水和剤

灰色かび病・菌核病対策で、アフェットフロアブルとは作用性が異なるため、耐性菌対策のローテーション資材として使いやすい。発生初期にアフェットと交互に使うイメージ。

フルピカフロアブル

灰色かび病・菌核病に加え、うどんこ病にも対応できる。アフェットフロアブルと交互に使うことで、同じ系統への連用を避けながら、収穫期の病害を抑える目的で使う。

ロブラール水和剤

灰色かび病・菌核病に対して、昔から使われているローテーション資材。アフェットフロアブルとは作用機構が異なるため、SDHI剤に頼りすぎない防除体系を組む目的で使う。

パレード20フロアブル

うどんこ病対策を強化したい場合に使う資材。アフェットフロアブルだけでは不安な場面で、うどんこ病に重点を置いた予防・初期防除として組み込む。

カリグリーン

うどんこ病・灰色かび病の発生初期に使いやすい補完資材。化学農薬の散布回数を抑えたい場合や、天敵・有機栽培を意識する場合に、アフェットフロアブルの間に挟む補助的な資材として使う。



6. FAQ

Q1:アフェットフロアブルはいちごの灰色かび病に何回まで使えますか?

Aいちごでの灰色かび病防除としては、本剤の使用回数3回以内、ペンチオピラドを含む農薬の総使用回数も3回以内です。収穫前日まで使用可能ですが、耐性菌管理の観点からシーズン中2回程度に抑え、別系統剤と輪番するのが推奨されます。

Q2:アフェットフロアブルはミツバチ・マルハナバチや天敵カブリダニとの併用は大丈夫ですか?

A本剤は殺菌剤のため、殺虫剤に比べて訪花昆虫・天敵への影響は小さいとされています。ただし、メーカーは「適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認」を求めています。マルハナバチ放飼中のハウスでも比較的使いやすい部類ですが、念のためメーカー公開の影響期間表で確認してください。

Q3:アフェットフロアブルは展着剤や他剤と混用できますか?

A一般的な中性〜弱酸性展着剤(アビオン-E、ダイン、まくぴか等)との混用は可能とされていますが、アルカリ性資材(ボルドー液・石灰硫黄合剤など)との混用は分解・薬害の恐れがあり、メーカーの混用事例表で個別確認が必須です。果樹散布で他剤と混用する場合は特に注意してください。

Q4:SDHI(FRAC 7)耐性菌が発達した感じがします。どうローテーションすればいいですか?

Aキュウリうどんこ病ではすでにSDHI耐性菌の高頻度検出が報告されています。耐性菌が疑われる場合は、FRACコードが異なる剤への切替が必須。具体的にはスイッチ顆粒水和剤(FRAC 9+12)フルピカフロアブル(FRAC 9)ロブラール水和剤(FRAC 2)パレード20フロアブル(FRAC U8)カリグリーン(FRAC NC)などへ切替えてください。同じFRAC 7内(ボスカリド・ペンチオピラド・イソピラザム等)の交替では交差耐性のため効果が出にくいです。

Q5:効果が出にくいときに見直すべきポイントは?

A以下の現場要因を確認してください。散布タイミング(発生前〜初期がベスト、発症後の蔓延期では効きが落ちる)、葉裏・果房・株元への被覆性(灰色かび病は果房や枯死葉から発生)、水量と均一性(10aあたり100〜300L、果樹は200〜700L)、耕種的対策(換気・葉欠き・古葉除去・株間管理)、耐性菌の出現(連用後の効果低下は要疑い)。希釈倍数を強くする(2000倍を超える濃度)のは薬害リスクが上がるため避けてください。

7. まとめ

アフェットフロアブルはSDHI(FRAC 7)系のペンチオピラド20.0%を有効成分とする殺菌剤で、灰色かび病・うどんこ病・菌核病・葉かび病など施設栽培で最頻出の糸状菌病害に幅広く効きます。


多くの作物で収穫前日まで使用可能、本剤使用回数は3回以内が基本。SDHI耐性菌対策として、FRAC 9・FRAC 2・FRAC U8・FRAC NC 系統との計画的なローテーション(年2回までに抑える)が必須です。


耕種的対策(換気・葉欠き)と組み合わせることで、本剤の予防効果を最大限引き出せます。



参考文献・引用元

  1. 三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社「アフェットフロアブル」製品ページ(登録番号22209)https://www.mc-croplifesolutions.com/products/22209/ (アクセス日:2026-05-30)

  2. アグロカネショウ株式会社「アフェットフロアブル」製品ページhttps://www.agrokanesho.co.jp/product/view/24 (アクセス日:2026-05-30)

  3. JA全農「SDHI 剤 FRAC コード7 についての解説資料」https://www.zennoh.or.jp/ns/topics/upload_files/2020-03-297-re.pdf (アクセス日:2026-05-30)

  4. 茨城県農業総合センター園芸研究所「キュウリうどんこ病菌の各種SDHI剤に対する感受性差異」https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/enken/seika/yasai/kyuuri/documents/18kyuuri1.pdf (アクセス日:2026-05-30)

  5. 農薬インデックス「アフェットフロアブル」適用表情報https://agro.jp/nouyaku/appli/yakuzai/f095.html (アクセス日:2026-05-30)

  6. 三井化学クロップ&ライフソリューション「アフェットフロアブル 適用表PDF」https://www.mc-croplifesolutions.com/assets/pdf/products/22209/appTable/ (アクセス日:2026-05-30)

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