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ダブルフェースフロアブルはどうやって使う?─いちご、かんきつ、なし、なす、きゅうり、ピーマンのハダニ類、ミカンサビダニ、チャノホコリダニを防除するダブルフェースフロアブルの使い方を徹底解説!

  • 34 分前
  • 読了時間: 10分

「ハダニが急に増えて手がつけられない」「既存の殺ダニ剤が効かなくなってきた」「ダニ(チャノホコリダニ、ミカンサビダニ)まで一度にカバーしたい」──ハダニ・微小ダニ対策はいちご・なす・きゅうり・かんきつ・茶などの生産現場で長年の課題です。


本記事では、クミアイ化学工業が販売(日本農薬登録)するピフルブミド・フェンピロキシメート水和剤「ダブルフェースフロアブル」(登録番号:第23629号)の特長と使い方を、メーカー公表の適用表を一次情報として徹底解説します。2つの作用機構(IRAC 25B+21A)を組み合わせた本剤は、ハダニ類と微小ダニを同時防除でき、訪花昆虫(ミツバチ・マルハナバチ)への影響日数が短いため、開花期や受粉昆虫導入下でも使いやすい殺ダニ剤として位置づけられています。


注意:以下の内容は2026年時点で公開されている情報をもとにまとめたものです。実際に使用される際は必ず最新のダブルフェースフロアブルのラベル・農林水産省「農薬登録情報提供システム」・クミアイ化学工業/日本農薬公式情報をご確認ください。


こんな方におすすめ

  • いちご・なす・きゅうり・ピーマン・かんきつ・茶のハダニ類で困っている方

  • 既存殺ダニ剤の抵抗性発達を感じている方

  • ミカンサビダニ・チャノホコリダニ・チャノナガサビダニ等の微小ダニもまとめて防除したい方

  • マルハナバチ受粉中・ミツバチ訪花時期でも使える殺ダニ剤を探している方

  • ダブルフェースフロアブルの希釈倍数・使用回数・収穫前日数を正確に知りたい方


1. 商品概要


分類

殺ダニ剤(殺虫剤)/ピフルブミド・フェンピロキシメート水和剤

登録番号

第23629号(日本農薬㈱ 登録)

有効成分

ピフルブミド 15.0%フェンピロキシメート 5.0%

作用機構コード

IRAC 25B(ピフルブミド:ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害)IRAC 21A(フェンピロキシメート:ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害)

製剤形態

フロアブル(類白色水和性粘稠懸濁液体)

主な対象害虫

ハダニ類、チャノホコリダニ、ミカンサビダニ、ミカンハダニ、ニセナシサビダニ、チャノナガサビダニ、カンザワハダニ、チャトゲコナジラミ

主な使用場面

施設・露地のいちご・なす・きゅうり・ピーマン・すいか・メロン、かんきつ、なし、茶、花き類・観葉植物

毒性/危険物

普通物/非該当

包装

250ml×20本

有効年限

5年

2. 特長・メリット

2‑1. IRAC 25B+21A、2つの作用機構による抵抗性ハダニへの新規アプローチ

  • ピフルブミド(IRAC 25B)はミトコンドリア電子伝達系複合体IIを阻害する新規系統で、ハダニのエネルギー代謝を絶ちます。既存系統と作用機構が異なるため、抵抗性ハダニ個体群にも有効とされています。

  • フェンピロキシメート(IRAC 21A)はミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤で、卵・幼若虫から成虫まで広いステージに作用します。

  • 同剤の中に作用機構コードの異なる2成分を含むことで、1回の散布で複数の経路を同時に攻撃でき、抵抗性管理上のメリットがあります。


2‑2. ハダニ類と微小ダニを一度に防除できる広いスペクトラム

  • 適用害虫はハダニ類(カンザワハダニ・ミカンハダニ等)に加え、チャノホコリダニ・ミカンサビダニ・ニセナシサビダニ・チャノナガサビダニまでカバー。視認しにくい微小ダニまで含めて1剤で対応できるのは大きな利点です。

  • 茶ではチャトゲコナジラミにも適用があり、複数害虫を同時に管理可能。


2‑3. 訪花昆虫(ミツバチ・マルハナバチ)に影響が少ないIPM適合型殺ダニ剤

  • メーカー特長表示として「ミツバチ、マルハナバチ等の訪花昆虫に影響が少ないため、開花時期でも安心して使用できる」と明記されています。

  • アリスタライフサイエンス公表の影響日数表(2018年5月改定)では、マルハナバチ影響日数は1日とされており、散布翌日以降の再放飼が目安となります(最新は必ずメーカー資料で確認)。

  • 蚕には長期間毒性があるため、桑園周辺での飛散には注意が必要です。


ポイント

ハダニ類は1世代が短く、薬剤抵抗性が急速に発達します。ダブルフェースフロアブルは本剤の使用回数を年1回に絞り、作用性の異なる他剤(IRACコードが異なる殺ダニ剤)と必ずローテーションすることで、長く効果を維持できます。


3. 導入例

作物名/作型

投入目的

投入量・時期

期待される効果

施設栽培いちご

ハダニ類の発生初期密度抑制

2000倍希釈、100〜300L/10a、収穫前日まで、本剤使用回数1回。マルハナバチ放飼は散布翌日以降

ハダニ卵〜成虫の同時抑制、訪花昆虫への影響最小化

施設栽培なす

ハダニ類+チャノホコリダニの同時防除

2000倍希釈、100〜300L/10a、収穫前日まで、本剤使用回数1回(成分総使用回数3回以内)

微小ダニまで含めた一斉防除

かんきつ(露地)

ミカンサビダニ・ミカンハダニ防除

2000〜3000倍希釈、200〜700L/10a、収穫前日まで、本剤使用回数1回(成分総使用回数2回以内)

果皮障害(サビダニ被害)の予防

露地なし

ニセナシサビダニ防除

2000倍希釈、200〜700L/10a、収穫14日前まで、本剤使用回数1回

果実肥大期の品質低下防止

茶(露地)

カンザワハダニ・チャノナガサビダニ・チャトゲコナジラミ防除

2000〜3000倍希釈、200〜400L/10a、摘採7日前まで(チャトゲコナジラミは2000倍)、成分総使用回数2回以内

夏ハダニのピーク前の密度抑制

4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    動力噴霧器(ダニ防除はノズル径を細かく)、計量カップ、保護具(農薬用マスク・手袋・保護メガネ・長袖長ズボン)、撹拌棒。


  2. 希釈倍率 or 設置個体数:

    作物により2000倍(あずき・さやいんげん・きゅうり・すいか・メロン・なす・ピーマン・いちご・花き類等)または2000〜3000倍(かんきつ・茶のサビダニ/ハダニ系)ラベル指示を必ず優先してください。


  3. タイミング:

    本剤は植物体への浸透移行性がないため、発生初期に葉の表裏まで均一に散布することが重要。ハダニ類は繁殖が早く密度が上がると防除困難となるため、見つけ次第早めに散布します。


  4. 手順ステップ:

    1. 噴霧タンクに必要量の水を半分入れる

    2. ダブルフェースフロアブルを規定量計量し、撹拌しながら投入

    3. 必要に応じて展着剤(アルカリ性のものは避ける)を加える

    4. 残りの水を加えて満量にし、再度よく撹拌

    5. 葉裏も含めて均一に散布(特に株元・古葉の付近を丁寧に)

    6. 残液は調製を控え、使い切る


  5. 注意点:

    • 石灰硫黄合剤・ボルドー液などアルカリ性薬剤との混用は避ける

    • 本剤の使用回数は年1回ピフルブミドを含む農薬の総使用回数は1回(茶・花き類は2〜6回など作物別に異なる)

    • ハダニは抵抗性が発達しやすいため、作用機構コードが異なる他剤と必ずローテーション

    • 花き類・ばらでは新展開葉や花・蕾に薬害を生じる場合があるため、付着しやすい時期は使用を避ける。

    • 蚕に長期毒性があるため桑園にかからないように注意。

    • 水産動植物に影響を及ぼすおそれがあるため、河川・養殖池への飛散流入注意。

    • 散布量は対象作物の生育段階・栽培形態・散布方法に合わせて調整すること。

Tip

ダブルフェースフロアブルは葉裏処理が効果を左右します。葉裏に付着しないと卵・若齢幼虫を抑え切れず、密度が再上昇しやすくなります。動力噴霧器のノズル角度を立てて、株元から見上げるように葉裏を狙うのが基本テクニックです。


作物別適用表(クミアイ化学工業/日本農薬 公表適用表ベース/2021年10月13日時点)

※ 下表は調査時点の公開情報を整理したものです。最新の使用基準は必ずダブルフェースフロアブルのラベル/クミアイ化学工業適用表PDF/FAMIC「農薬登録情報提供システム」(https://pesticide.maff.go.jp/)でご確認ください。

作物名

適用害虫名

希釈倍数

使用液量

使用時期

本剤使用回数

成分総使用回数(ピフルブミド/フェンピロキシメート)

あずき、さやいんげん

ハダニ類

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

1回

1回/1回

きゅうり、すいか、メロン

ハダニ類

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

1回

1回/3回以内

なす

ハダニ類、チャノホコリダニ

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

1回

1回/3回以内

ピーマン

ハダニ類

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

1回

1回/3回以内

いちご

ハダニ類

2000倍

100〜300L/10a

収穫前日まで

1回

1回/1回

かんきつ

ミカンサビダニ、ミカンハダニ

2000〜3000倍

200〜700L/10a

収穫前日まで

1回

1回/2回以内

かんきつ

チャノホコリダニ

2000倍

200〜700L/10a

収穫前日まで

1回

1回/2回以内

なし

ニセナシサビダニ

2000倍

200〜700L/10a

収穫14日前まで

1回

1回/2回以内

花き類・観葉植物

ハダニ類

2000倍

100〜300L/10a

発生初期

1回

1回/6回以内

チャトゲコナジラミ

2000倍

200〜400L/10a

摘採7日前まで

1回

1回/2回以内

チャノナガサビダニ、カンザワハダニ、チャノホコリダニ

2000〜3000倍

200〜400L/10a

摘採7日前まで

1回

1回/2回以内



5. 関連資材との相乗効果

具体的な資材/商品名

分類・作用機構

組み合わせ目的

使用タイミング

ミヤコトップ

ミヤコカブリダニ製剤(天敵農薬)

ハダニの予防的密度抑制をIPMの土台に

ハダニ発生前〜初発時の放飼

ダニオーテフロアブル

シフルメトフェン(IRAC 25A)

ピフルブミド(25B)と同系列だがサブグループ違い。卵〜成虫期に有効

抵抗性個体群対策

カネマイトフロアブル

アセキノシル(IRAC 20B)

ハダニ類に速効性・残効性、訪花昆虫影響少

マルハナバチ導入中のローテ候補

コロマイト乳剤

ミルベメクチン(IRAC 6)

サビダニ・ホコリダニにも有効、ダブルフェースと作用機構違い

サビダニ・ハダニ混発時のローテ



6. FAQ

Q1:ダブルフェースフロアブルはいちごのハダニに何回まで使えますか?

Aいちごの場合、本剤の使用回数は1回ピフルブミドを含む農薬の総使用回数1回/フェンピロキシメートを含む農薬の総使用回数1回と定められています(2021年10月時点)。シーズン中に他のピフルブミド剤・フェンピロキシメート剤を使う予定があれば、本剤の投入回数を必ず差し引いてください。最新使用基準は必ずラベルで確認を。

Q2:ダブルフェースフロアブルとマルハナバチ・ミツバチの併用は大丈夫ですか?

Aメーカー特長表示では「訪花昆虫に影響が少ない」とされており、アリスタライフサイエンス公表の影響日数表(2018年5月改定)ではマルハナバチ影響日数1日と記載されています。実務上は散布の前日にマルハナバチの巣箱を退避し、散布翌日以降に再放飼するのが目安です。最新の影響日数はメーカー資料で必ず確認してください。

Q3:ダブルフェースフロアブルと展着剤や他剤との混用はできますか?

A石灰硫黄合剤やボルドー液などアルカリ性薬剤との混用は避ける必要があります。アルカリ性以外の登録農薬・展着剤との混用は基本的に可能ですが、混用事例表にない組み合わせは事前にメーカーに確認してください。植物体への浸透移行性がないため、ノニオン系展着剤(ダイン、まくぴか、アプローチBI等)の加用で葉裏付着性を高めると効果が安定します。

Q4:既存の殺ダニ剤が効かなくなってきました。どうローテーションすればいいですか?

AIRAC 25B(ピフルブミド)と21A(フェンピロキシメート)が組み合わさっているため、過去にIRAC 6(アバメクチン・ミルベメクチン)系を多用してきた圃場では効果差を実感しやすい可能性があります。「IRAC 25B+21A(ダブルフェース)」→「IRAC 6(アグリメック/コロマイト)」→「IRAC 25A(ダニオーテ)」→「IRAC 20B(カネマイト)」のように、世代をまたいで作用機構を変えるローテーションを設計してください。

Q5:散布したのに効果が今ひとつです。見直すべきポイントは?

A(1) 葉裏散布が十分か(本剤は浸透移行性がない)、(2) 発生初期に散布できたか(密度が上がると効果が落ちる)、(3) 希釈倍数・使用液量が適用表通りか、(4) アルカリ性薬剤と混用していないか、(5) 同一作用機構薬剤を連用していないか、を確認してください。古葉・株元の点検で「赤いダニ」「白いカスレ」を初期に見つけることが最大のポイントです。

7. まとめ

ダブルフェースフロアブルは、ピフルブミド(IRAC 25B)とフェンピロキシメート(IRAC 21A)の混合製剤で、いちご・なす・きゅうり・ピーマン・かんきつ・なし・茶・花き類のハダニ類、およびミカンサビダニ・チャノホコリダニ・ニセナシサビダニ等の微小ダニを1剤でまとめて防除できる殺ダニ剤です。


訪花昆虫への影響が少なく(マルハナバチ影響日数1日)、開花期・受粉昆虫導入下のIPM体系に組み込みやすい一方、本剤の使用回数は年1回のため、作用機構コードが異なる他剤(IRAC 6/20B/25A等)と必ずローテーションして抵抗性管理を行うことが、長く効果を維持する鍵となります。



参考文献・引用元




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