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【農家さんインタビュー】新規就農から挑戦の連続! 苺と人をつなぐ イチゴ農園みどりやファーム

秦野市の山あいにあるみどりやファームは、イチゴの観光農園を軸に、お米や露地野菜の栽培、BBQ、イベント出店まで様々な取り組みを行っています。お客さまの「また来たい」を積み重ねるために、安心して食べられるイチゴと、地域に開かれた居場所づくりに挑み続けています。


本記事は、みどりやファームでイチゴを担当する須藤さん露木さんにインタビューさせていただきました。

現場のリアルとこだわり、工夫をお届けします。新規就農観光農園に関心のある方は必見です!

1. イチゴだけでなくお米や露地野菜など、農業を幅広く展開

──まずは自己紹介と農園の概要を教えて下さい。

須藤さん・露木さん:みどりやファームは令和3年に創立し、いちご狩りをすぐに開始しました。年ごとにハウスを広げて、現在のいちごハウス面積は40aほどです。観光(いちご狩り)と出荷・直売の両輪で進めています。創立当初は社長を含め2名体制でしたが、今ではスタッフも増え、イチゴ・露地野菜・米と多角的に運営しています。

田植えを行うみどりやファームの皆さん
田植えを行うみどりやファームの皆さん

収穫物は、飲食店や道の駅への出荷・直売も行っていたり、規格外イチゴは削りいちごや苺サイダーなどにしてイベントや商店街の催しにも積極的に出店しています。


みどりやファームのイチゴと削りいちご
みどりやファームのイチゴと削りいちご

露木さん:私は、農園のバックオフィスと運営を担当しています。今の時期は、午前中に事務の仕事を終わらせ、午後は現場の手伝いに入っています。

須藤さん:イチゴの生育をメインで担当しています。ハウスの管理、苗づくり、定植前の株づくりなど、日々の生育管理が仕事です。

2. 一日の流れ──夏は朝涼しいうちに要所を押さえる

──お二人の1日のスケジュールを教えて下さい。

須藤さん:夏季は昼間が暑くなるため、5:30〜6:00頃から作業を開始しています。涼しいうちに耕耘などの重作業を終わらせ、ハウス全体の点検(病害虫・症状の有無)を行います。8月下旬の今だと、1日に1〜2回のかん水を行い、定植前の苗づくり(切り離し、ランナー挿し)に集中します。作業は15:00頃に終了です。繁忙期はスタッフも総出で協力し合いながら進めています。


露木さん:午前中は前日夕方〜当日朝の売上やメールを確認、農園全体のバックオフィス業務をこなして、午後は現場サポートに入っています。

3. 農業を始める前と今のギャップ

──農業を始める前と今で、ギャップはありましたか?

露木さん:始める前は、農業は毎日同じ作業の繰り返しといったような、単純なサイクルを想像していたのですが、日々状況が変化するので毎日やることが変わることを知りました。また、人とのコミュニケーションが想像以上に生まれました。地域の方やいちご狩り、BBQなどにいらっしゃったお客さん、農家の方々と話す機会がたくさんあり、そこから生まれたアイデアを農業やサービスに活かしています。


須藤さん体力仕事が多くて想像以上に大変でしたね。でも、天候も環境も毎日違うから飽きないし、毎日が新鮮で"大変よりも楽しい"が勝ちます。毎日変わる環境のなかで、どうすればイチゴがしっかり生育するのか、と工夫するのが楽しいです。

4. イチゴ栽培のリアル──病害虫との向き合い、気候変動の影響

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──病害虫対策や農薬についての考えを教えて下さい。

須藤さん:極力、農薬の使用量を減らしていくという方針を取っています。そのための葉かき作業や、常日頃から圃場に入って株に異常が無いか観察し、丈夫な株づくりを意識しています。昨季から天敵の活用もしており、今年も挑戦したいと考えております。導入タイミングや放飼量の設計が肝だと感じています。


露木さん:年によって病害虫の発生が全然変わりますね。例えば、今年はコガネムシが大量に発生していますし、昨年は炭疽病が結構発生してしまって苗が2割ほどだめになってしまいました。


──近年の暑さも何か影響はございますか?

露木さん:以前は9月末の『秦野たばこ祭り』頃には夜が寒いくらいだったのに、最近は夜も気温が下がりませんね。定植時期や収穫期のズレにつながる不安があります。


5. 新規就農者へ──“つながり"を大事に、無理はしない

──これから農業を始める人へ、伝えたいことはありますか?

露木さん:ひとりの力では、なかなか難しい部分もあると思うので、農業を始める際には、人とのつながりが何より大切だと感じました。これからも私たち自身、人とのつながりを大切にしていきたいと思います。


須藤さん:無理は禁物かなと思います。暑さが厳しい日は切り上げて、翌朝に回すなどペース配分をしていきたいです。体力とメンタルを守って、長く続けられるやり方を選びましょう。

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6. これからの挑戦──ロスを減らすことと、閑散期でも人が集まる農園に

──これから挑戦していきたいことはありますか?

露木さん:農業をしていると、どうしても規格外のイチゴが出てきてしまいますが、これらを"ロス"とせずに冷凍や加工を施すことで工夫して価値化していきたいと考えています。また、道の駅や地域の飲食店などにも、私たちのイチゴを積極的に出していって、もっと沢山の方々にみどりやファームを知っていただきたいと思います。今季から導入したキッチンカーも活用していきたいですね。

須藤さん:私ももっとみどりやファームを知っていただきたいと思いますし、まるで”山の上の秘密基地”みたいな、来ていただいた方がゆっくり出来る場を作っていきたいと思います。

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今回のインタビューにあたり、忙しい日々の合間に時間をつくってくださった須藤さん、露木さん、ありがとうございました!

農業とお客さんと向き合う姿勢、ロスを価値へ変える発想、地域と共に歩む意思――どの言葉にも現場の温度が宿っていました。みどりやファームの挑戦が、これから農業を志す方や同じ現場で奮闘する方々の背中を押すきっかけになれば幸いです。

みどりやファーム アクセス

お知らせ

みどりやファームさんは、令和7年9月27日(土)〜28日(日)に開催される、『秦野たばこ祭』にも出店されるそうなので、興味のある方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか?

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