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ベニカS乳剤はどうやって使う? ─(庭木・果樹・野菜に付く)ケムシ、アオムシ、アブラムシを防除するベニカS乳剤を徹底解説!

  • 5月26日
  • 読了時間: 8分

庭木のチャドクガ(毛虫)、果樹のシンクイムシやカメムシ、野菜のアオムシ・ヨトウムシ・アブラムシ——家庭菜園から直売向けの小規模栽培まで、1本で庭木・果樹・野菜の幅広い害虫に対応できるのが、住友化学園芸(2025年7月よりKINCHO園芸)の「ベニカS乳剤」(登録第23112号)です。


有効成分はピレスロイド系のペルメトリンで、速効性と1〜2週間の持続性を併せ持ち、特にケムシ(チャドクガなどチョウ目幼虫)退治に定評があります。


この記事では、適用表の数値や作用機構、抵抗性ローテーション、ミツバチ・天敵・蚕への注意点、現場でよくある疑問まで、農家さん・販売店さんが実際に役立つ深さで徹底解説します。


こんな方におすすめ

  • 庭木・生垣のケムシ(チャドクガ等)や、果樹・野菜のアオムシ・ヨトウムシ・アブラムシに悩んでいる方

  • 1本で庭木・果樹・野菜の幅広い害虫に使える家庭園芸用殺虫剤を探している方

  • ベニカS乳剤の希釈倍数・収穫前日数・使用回数を正確に知りたい方

  • 家庭菜園や直売向け小規模栽培で、速効性のある殺虫剤を防除に組み込みたい方

1. 商品概要

分類

殺虫剤(ピレスロイド系・家庭園芸用)

登録番号

農林水産省登録第23112

有効成分

ペルメトリン 2.0%

作用機構コード

IRAC 3A(ピレスロイド/神経軸索のナトリウムチャネルモジュレーター)

製剤形態

乳剤(水でうすめて散布)

主な対象害虫

ケムシ類(チャドクガ等)、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ類、アブラムシ類、カメムシ類、シンクイムシ類、ハマキムシ類、アザミウマ類など

主な使用場面

庭木(樹木類)・花き/果樹(もも・かき・かんきつ等)/野菜(キャベツ・トマト・なす等)。家庭菜園・直売向け小規模栽培の発生初期防除に

製造販売元

KINCHO園芸株式会社(旧・住友化学園芸株式会社)

2. 特長・メリット

2‑1. 速効性+1〜2週間の持続性(IRAC 3A)

有効成分ペルメトリンは害虫の神経のナトリウムチャネルに作用(IRAC 3A)し、速効的にノックダウンします。メーカーはチャドクガ若齢幼虫で1〜2週間の持続効果をうたっており、発生初期のケムシ退治に向きます。

2‑2. 1本で庭木・果樹・野菜まで対応する広い適用範囲

樹木類のアブラムシ・ケムシ・シャクトリムシから、もも・かき・かんきつのシンクイムシ・カメムシ、キャベツ・トマト・なすのアオムシ・ヨトウ・アブラムシまで非常に多くの作物・害虫に登録。家庭菜園や庭まわりを1本でカバーでき、常備薬として便利です。

2‑3. チョウ目害虫(ケムシ・アオムシ・ヨトウ)に幅広く効く

ピレスロイド系として接触・食毒の両方で効き、チャドクガなどのケムシ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシに幅広く効果を示します。一方でミツバチ・蚕・天敵・水産動物への影響、かんきつ・茶でのハダニ誘発には注意が必要です(後述)。


3. 導入例

作物 / 作型

導入目的

投入量/時期

結果

庭木・生垣(ツバキ・サザンカ等)

チャドクガ(ケムシ)の若齢幼虫退治

400〜800倍、発生初期・総使用回数6回以内

速効的にケムシを退治、1〜2週間の持続

家庭菜園のキャベツ

アオムシ・コナガ・ヨトウムシの防除

200倍、収穫3日前まで・本剤5回以内

葉の食害を抑制

トマト・なす(小規模・直売向け)

アブラムシ類の発生初期防除

200〜300倍、収穫前日まで・本剤3回以内

新芽のアブラムシを速やかに抑制

4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    噴霧器(蓄圧式・電池式など)、計量カップ、保護具(農薬用マスク・手袋・保護メガネ)、清浄な水。容器を数回振ってから所定量を取り出し、水でうすめます。


  2. 希釈倍率 or 設置個体数:

    対象により100〜800倍と幅があります(例:庭木のケムシ類400〜800倍、キャベツのアオムシ200倍、トマト・なすのアブラムシ200〜300倍)。必ずラベル記載値を優先してください。


  3. タイミング:

    ケムシ・アオムシ・ヨトウは若齢幼虫期(発生初期)に。ねぎのシロイチモジヨトウは食入前の若齢幼虫期に散布するのが効果的です。アブラムシは発生初期・新芽をねらいます。


  4. 手順ステップ:

    容器を振る → 計量 → 水でうすめてよく撹拌 → 葉裏・新芽・虫のいる枝までむらなく散布 → 残液はためずに使い切る。


  5. 注意点:

    収穫前日数・使用回数は作物で大きく異なる(例:キャベツは収穫3日前・本剤5回以内はくさいは7日前・5回以内だいこんは30日前・4回以内トマト・なすは収穫前日・本剤3回以内)。ミツバチの巣箱周辺・放飼中の施設や果樹園では使用しない蚕に長期間毒性があるため桑園付近では使用しない魚類・甲殻類に強い影響があり河川等への流入を避ける。かんきつ・茶ではハダニが増えることがあるので注意。


作物別適用表(FAMIC農薬登録情報提供システム/メーカーラベル調査結果ベース)

作物名

適用害虫名

希釈倍数

使用時期

総使用回数(本剤)

樹木類(くちなしを除く)

アブラムシ類/ケムシ類/シャクトリムシ類

400〜800倍

発生初期

6回以内

キャベツ

アオムシ/コナガ/ヨトウムシ/タマナギンウワバ

200倍

収穫3日前まで

本剤5回以内

はくさい

アオムシ/コナガ/ヨトウムシ

200倍

収穫7日前まで

5回以内

だいこん

アオムシ/コナガ/ヨトウムシ/ハイマダラノメイガ

200倍

収穫30日前まで

4回以内

ブロッコリー/カリフラワー

コナガ

200倍

収穫3日前まで

5回以内

トマト/なす

アブラムシ類

200〜300倍

収穫前日まで

本剤3回以内

きゅうり

アブラムシ類

200〜300倍

収穫前日まで

3回以内

ピーマン/とうがらし類

タバコガ

200倍

収穫前日まで/7日前まで

5回以内/2回以内

なし

アブラムシ類/シンクイムシ類/ハマキムシ類/カメムシ類

200〜300倍

収穫前日まで

2回以内

もも

アブラムシ類/シンクイムシ類/カメムシ類/モモハモグリガ

200〜400倍

収穫7日前まで

6回以内

かき

カキノヘタムシガ/カメムシ類/チャノキイロアザミウマ

200〜300倍

収穫7日前まで

5回以内

かんきつ

アブラムシ類/ミカンハモグリガ/カメムシ類

200〜400倍

―(ラベル確認)

6回以内

チャノコカクモンハマキ/チャノホソガ

200〜300倍

摘採14日前まで

1回

花き類・観葉植物(はぼたんを除く)

アブラムシ類/カメムシ類/ハマキムシ類/ヨトウムシ類

200〜400倍

発生初期

―(ラベル確認)


Tip

チャドクガなどのケムシは毒針毛に注意が必要です。長袖・手袋・マスク・保護メガネを着用し、若齢幼虫が集団でいるうちに枝ごとねらって散布すると効果的かつ安全です。


5. 関連資材との相乗効果

商品名

ベニカS乳剤との使い分け・組み合わせ目的

STゼンターリ顆粒水和剤

ケムシ・アオムシ・ヨトウムシ類に使いやすいBT剤です。ベニカS乳剤とは効き方が違うため、ローテーションに組み込みやすい薬剤です。

アファーム乳剤

ヨトウムシ・コナガ・ハモグリバエ類などに幅広く使いやすい薬剤です。ベニカS乳剤とは別系統なので、同じ系統の連用を避けたいときに使えます。

コルト顆粒水和剤

アブラムシ・コナジラミ対策に使いやすい薬剤です。天敵への影響が比較的小さいため、天敵を使っている圃場での候補になります。

ダイン

薬液を葉に広がりやすくする展着剤です。ベニカS乳剤と混用することで、薬液の付着やぬれ性を高めたいときに使います。


6. FAQ

Q1:ベニカS乳剤はキャベツのアオムシに何回まで使えますか?

Aキャベツでは200倍・収穫3日前まで・本剤5回以内(ペルメトリンの総使用回数も5回以内、株元灌注は2回以内)が基準です。作物ごとに回数・収穫前日数が大きく異なる(はくさい7日前、だいこん30日前など)ため、必ず最新ラベル・FAMICで確認してください。

Q2:ミツバチや蚕、天敵への影響は?

Aルメトリンはピレスロイド系で、ミツバチの巣箱周辺・放飼中の施設や果樹園では使用しないこと、蚕に長期間毒性があるため桑園付近では使用しないことがラベルに明記されています。天敵を放飼するほ場でも影響が大きいため、放飼前の初期防除で使い、放飼後はBT剤などに切り替えてください。

Q3:かんきつや茶に使うとハダニが増えると聞きました。本当ですか?

Aラベルに「かんきつ、茶での散布は、場合によりハダニ類が増えることがあるので注意」と記載があります。これはピレスロイド系で起こりやすいハダニのリサージェンス(天敵が減って害虫が増える現象)です。ハダニが気になる場面では専用の殺ダニ剤や天敵製剤と組み合わせてください。

Q4:抵抗性が発達したと感じます。どうローテーションすればいいですか?

Aピレスロイド系(3A)の連用が原因の可能性があります。STゼンターリ顆粒水和剤(IRAC 11A/BT剤)、アファーム乳剤(6)、コルト顆粒水和剤(9B)など作用機構の異なる剤に切り替えてください。

Q5:効果が出にくいときに見直すべきポイントは?

A(1) 若齢幼虫期(発生初期)に散布できているか(老齢・大きいケムシは効きにくい)、(2) 葉裏・虫の潜む枝まで薬液がかかっているか、(3) 希釈倍数が適正か、(4) ピレスロイド連用による抵抗性が出ていないか、(5) ハダニのリサージェンスが起きていないか——を見直してください。

7. まとめ


ベニカS乳剤は、ペルメトリン(IRAC 3A)を有効成分とする速効性+持続性の家庭園芸用ピレスロイド系殺虫剤で、庭木・果樹・野菜のケムシ・アオムシ・ヨトウムシ・アブラムシを1本で幅広く防除できます。若齢幼虫期に葉裏・枝までていねいに散布するのが効果のコツです。一方でミツバチ・蚕・天敵・水産動物への影響、かんきつ・茶でのハダニ誘発、抵抗性の発達には注意が必要で、BT剤や物理的防除剤と組み合わせたローテーションが成功の鍵です。




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