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ベリマークSCはどうやって使う? ─ヨトウムシ、オオタバコガ、コナガ、コナジラミ、アザミウマ、アブラムシを防除するベリマークSCの使い方を徹底解説!


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苗の立ち上がり時期にヨトウムシコナガアザミウマアブラムシコナジラミなどが一気に増えると、植え痛みや萎凋、ウイルス病の媒介で初期生育が崩れがちです。

ベリマークSC(有効成分:シアントラニリプロール/IRAC 28)は、育苗〜定植時の灌注処理(株元灌注・トレイ灌注)で作物体に素早く吸収・移行し、3〜4週間程度の持続効果が期待できる野菜用選択性殺虫剤です。


トマト・キュウリ・ピーマン・ナス・メロン・スイカ・イチゴの果菜類から、キャベツ・ブロッコリー・レタスなどの葉菜類、ネギなどまで適用作物が広いのが特長。

IPM(総合的害虫管理)や天敵・訪花昆虫との両立定植前処理による省力化を重視する農家さんにフィットします。


こんな方におすすめ

  • 果菜・葉菜のヨトウムシ類/コナガ/オオタバコガに悩んでいる

  • アザミウマ・アブラムシ・コナジラミ対策とウイルス媒介抑制を同時に進めたい

  • 定植前処理(トレイ灌注)や株元灌注希釈倍率・処理量を具体的に知りたい


1. 商品概要

分類

選択性殺虫剤(アントラニリックジアミド系/IRAC 28)

主な対象害虫

ヨトウムシ類(ハスモンヨトウ等)/コナガ/オオタバコガ/コナジラミ類/アザミウマ類/アブラムシ類/ハモグリバエ類 など(作物により適用差あり)

使用場面

育苗期後半〜定植当日のトレイ灌注/定植直後の株元灌注/一部作物で定植後初期の株元灌注

提供形態

ボトル

2. 特長・メリット

2‎-1. 初期定植時の省力・安定化に直結

トレイ灌注・株元灌注まとめて処理→定植は植えるだけ。広面積でも作業計画が立てやすい。


2‎-2. 広い殺虫スペクトラムと摂食停止の速効性

チョウ目(ヨトウムシ類・コナガ・オオタバコガ)に加え、コナジラミ/アブラムシ/アザミウマ/ハモグリバエにも有効。

摂食行動を速やかに止め、初期被害とウイルス媒介のリスクを低減。


2‎-3. 吸収移行+残効3〜4週間で立ち上がりを守る

根から吸収・全身移行。定植後約3〜4週間の防除効果が期待でき、立ち上げの防除密度を下げられる。


一般的な葉面散布剤との定量比較

ベリマークSC(灌注)

一般的な葉面散布

主処理タイミング

育苗後半〜定植当日/定植直後

発生を見て随時

作用部位

根から吸収・全身移行

葉面局所(展着に依存)

残効

3〜4週間目安

1〜2週間目安(剤による)

ドリフト・暴露

少ない

散布時に発生しやすい

IPM適合性

天敵・訪花昆虫に配慮しやすい

剤により差

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3. 導入事例・実証データ


  • 有効成分シアントラニリプロール(サイアジピル®)はIRACグループ28(Ryanodine receptor modulators)筋収縮を誘導して摂食を止めるため、被害進展を素早く抑える特性があります。


  • コナジラミ類・アブラムシ類・アザミウマ類・ハモグリバエ類など吸汁・潜葉害虫にも卓効を示し、チョウ目害虫(ヨトウムシ類、コナガ、オオタバコガ等)にも高い効果が確認されています。


  • 根からの吸収移行性により株全体に有効成分が行き渡り、本圃で約3〜4週間の効果が期待できるとされています。


  • IPM・抵抗性管理に適合。天敵・訪花昆虫への影響が相対的に小さい設計で、防虫ネット・粘着トラップ・天敵放飼と組み合わせた体系化が推奨されます。


4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物

    計量カップ、撹拌できる容器、ジョウロ or 動力噴霧器(ノズルを株元に)、防護具。


  2. 希釈倍率・薬量の目安(果菜類):

    薬量25 mL/400株水10〜20 Lに希釈し、1株25〜50 mL均一に株元へ灌注。定植直後の株元灌注は作物・害虫により1株50〜500 mLの範囲で設定(例:トマトは定植14日後まで株元灌注可)。


  3. タイミング

    育苗期後半〜定植当日トレイ灌注、または定植直後株元灌注。発生初期の定植後初期散布を組み合わせると効果的。


  4. 手順ステップ

    希釈液をよく撹拌→対象株数に合わせ分注→株元に均一灌注(マルチの植穴から)→処理後は数日間、株元を過湿にしない。


  5. 注意点

    アルカリ性資材との混用は避ける使用回数上限(作物別)と総使用回数(シアントラニリプロールを含む農薬の総量)を遵守。甲殻類への毒性配慮から河川等への流入防止を徹底。

作物別の適用と処理量

※作物・害虫ごとに希釈倍率/使用液量/時期/使用回数が異なります。必ず最新ラベルで確認してください。下表は主要作物の代表例です。

作物

主な適用害虫

希釈・薬量/使用液量

主な時期

本剤の使用回数・備考

トマト・ミニトマト

コナジラミ類/アブラムシ類/アザミウマ類/ハモグリバエ類/トマトキバガ

25 mL/400株10〜20 Lに希釈(1株25〜50 mL)で育苗期後半〜定植当日に灌注。定植直後の株元灌注は**1〜3 L/m²(10,000倍)**など適用条件あり

定植前〜定植14日後(株元灌注)

5回以内(定植前・直後の灌注合計1回以内/株元灌注1回以内/定植後の散布3回以内)

きゅうり

アブラムシ類/アザミウマ類/コナジラミ類/ハモグリバエ類

25 mL/400株10〜20 Lに希釈(1株25〜50 mL)で育苗後半〜定植当日灌注。定植直後は1株50〜500 mL範囲で株元灌注可

定植前〜定植直後

4回以内

ピーマン

アブラムシ類/アザミウマ類/コナジラミ類/コガネムシ類(株元加害)

同上

定植前〜定植直後

4回以内(灌注1回以内、散布3回以内)

なす

アブラムシ類/アザミウマ類/コナジラミ類/ハモグリバエ類/ネキリムシ類

同上

定植前〜定植直後

(作物別制限に従う)

メロン・すいか

アブラムシ類/アザミウマ類/コナジラミ類

25 mL/400株10〜20 Lに希釈

定植前〜定植直後

1回(灌注)

いちご

ハスモンヨトウ/アザミウマ類/コナジラミ類/アブラムシ類/コガネムシ類/チバクロバネキノコバエ

1株25〜50 mL目安(1000倍等の設定あり)

育苗後半〜定植当日、定植直後

4回以内(定植時まで・直後の処理は合計1回以内、定植後散布は3回以内)

キャベツ

ハスモンヨトウ/コナガ/アオムシ/ヨトウムシ/アザミウマ類/アブラムシ類 など

400倍トレイ1箱あたり0.5 Lを灌注

育苗後半〜定植当日

4回以内(定植時まで1回以内、定植後3回以内)

レタス・非結球レタス

オオタバコガ/ハスモンヨトウ/ウワバ類/アブラムシ類/ハモグリバエ類 など

(適用に準拠)

育苗後半〜定植当日

4回以内

ブロッコリー

コナガ/アオムシ/ハスモンヨトウ/アブラムシ類/アザミウマ類

(適用に準拠)

育苗後半〜定植当日

4回以内

ねぎ

アザミウマ類/ハモグリバエ類/ネキリムシ類/ネギコガ/シロイチモジヨトウ など

2000倍 0.5 L/m²(株元灌注) 等

収穫7日前まで

4回以内(株元灌注は1回以内 ほか)


5. 関連資材との相乗効果

商品名

目的

使用タイミング

スワルスキー / スワマイト

アザミウマ・コナジラミのIPM

定植後初期〜収穫期

スピノエース®顆粒水和剤

IRACローテーションで抵抗性対策

定植後の葉面散布体系

TYLCV耐性トマト苗

ウイルス被害の根本リスク低減

定植前の資材選定


6. FAQ

Q1:ベリマークSCはハダニに効きますか?

A:ハダニ類(ダニ目)への効果は限定的です。殺ダニ剤と組み合わせてください。

Q2:定植前処理と定植後の株元灌注、どちらが良い?

A発生リスクの高い作型では定植前のトレイ灌注が省力的。定植後の株元灌注は定植直後〜14日以内(作物により異なる)に行い、初期密度を下げる目的で使います。

Q3:使用回数の上限は?

A作物で異なります(例:トマトは5回以内、きゅうりは4回以内)。またシアントラニリプロールを含む農薬の総使用回数にも上限があります。最新ラベルを必ず確認してください。

Q4:天敵やミツバチへの影響は?

AIPMでの併用が可能な設計ですが、天敵製剤の導入・訪花期の作業は個別の注意を守ってください。

Q5:混用はできますか?

Aアルカリ性資材との混用は避けてください。基本は単用で灌注し、葉面散布体系は他系統をローテーションします。

7. まとめ


ベリマークSCは、定植時期の省力・安定化広範囲害虫への同時対策を両立できる灌注処理用殺虫剤です。


ヨトウムシ類・コナガ・オオタバコガなどのチョウ目、コナジラミ・アブラムシ・アザミウマなどの吸汁害虫、ハモグリバエまで幅広くカバー(作物により適用差あり)。


最新ラベルに沿った処理量と使用回数を守り、他系統剤・物理防除・天敵と組み合わせて防除体系を設計しましょう。



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