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オルチオン乳剤はどうやって使う?─アブラムシ、ケムシ、ヨトウムシを防除するオルチオン乳剤の使い方を徹底解説!

  • 11 時間前
  • 読了時間: 8分

キクやバラの新芽にびっしり付くアブラムシ、ツツジや庭木の葉を食い荒らすケムシ(毛虫)──こうした花き・庭木の害虫に「予防的な効果」と「直接の殺虫効果」を併せ持つのがオルチオン乳剤(KINCHO園芸/旧・住友化学園芸、農林水産省登録第18747号)です。

家庭園芸で長年親しまれてきた「オルトラン」(アセフェート)と「スミチオン」(MEP=フェニトロチオン)の有効成分を組み合わせた混合殺虫剤で、2つの有機リン系成分が幅広い害虫に作用します。


本記事では、アブラムシ・ケムシなどの害虫を防除するオルチオン乳剤の特長・希釈倍数・使い方・関連資材を、FAMIC農薬登録情報とメーカー公式をもとに徹底解説します。


注意:以下の内容は2026年時点で公開されている情報をもとにまとめたものです。実際に使用される際は必ず最新のオルチオン乳剤のラベル・農林水産省「農薬登録情報提供システム」・メーカー(KINCHO園芸)公式情報をご確認ください。とくに本剤の登録は花き・庭木(観賞用)が中心で、野菜への適用や「ヨトウムシ」での登録は本記事作成時点の適用表には含まれていません。野菜・食用作物に使う場合は必ず適用のある剤をご使用ください(後述)


こんな方におすすめ

  • キク・バラのアブラムシ類、ツツジ・庭木のケムシ類・カイガラムシ類に悩んでいる方

  • オルチオン乳剤の導入を検討しているが、希釈倍数・使用回数を事前に確認したい方

  • 「オルトラン」と「スミチオン」の合剤としての使い方や、ローテーションの組み方を知りたい方


1. 商品概要

分類

殺虫剤(有機リン系・混合剤/家庭園芸向け)

登録番号

農林水産省登録 第18747号

種類名

アセフェート・MEP乳剤

有効成分

アセフェート 5.0%/MEP(フェニトロチオン)5.0%

作用機構コード

アセフェート:IRAC 1B(有機リン系・アセチルコリンエステラーゼ阻害) /MEP:IRAC 1B(同)

製剤形態

乳剤

主な対象害虫

アブラムシ類、ケムシ類、カイガラムシ類、ツツジグンバイ

主な使用場面

キク・バラ・つつじ類・樹木類など花き・庭木(観賞用)の害虫防除。家庭園芸・緑地

製造販売元

KINCHO園芸株式会社(旧・住友化学園芸)

2. 特長・メリット

2‑1. 「アセフェート+MEP」の2成分で予防+速効をカバー

オルチオン乳剤は浸透移行性のあるアセフェート(オルトラン)と、強い接触殺虫力と速効性をもつMEP(スミチオン)を組み合わせた合剤です。アセフェートが植物体内に浸透して持続的(予防的)に効き、MEPが付着した害虫を素早く叩くため、アブラムシからケムシ、カイガラムシまで幅広い害虫に作用します。

2‑2. 発生初期の散布で効果を発揮、観賞用に使いやすい乳剤

適用は「発生初期」の散布が基本です。希釈倍数は対象により200〜400倍(カイガラムシ類は200倍)と、家庭園芸用としては高めの濃度で、付着した害虫にしっかり効きます。乳剤のため水で薄めて噴霧器で手軽に散布できます。

2‑3. ただし両成分とも同じIRAC 1B=ローテーションに注意

注意したいのは、アセフェートもMEPも作用機構は同じIRAC 1B(有機リン系)という点です。合剤とはいえ「異なる系統を混ぜている」わけではないため、連用すると抵抗性が発達しやすくなります。同じIRAC 1B剤を繰り返さず、後述のように別系統(IRAC 3A・4Aなど)と交互に使うのがポイントです。

ポイント

本剤の使用回数は本剤として5回以内、アセフェートを含む剤として5回以内、MEPを含む剤として6回以内。同じ成分を含む他剤(オルトラン剤・スミチオン剤)と合算してカウントするため、防除暦全体での回数管理が必要です。



3. 導入例

オルチオン乳剤は花き・庭木の害虫の発生初期に散布するのが基本です。以下は登録内容をもとにした現実的な使い方のイメージです。

作物名/対象

投入目的

投入量・時期

期待される効果

キク・バラ(アブラムシ類)

新芽・つぼみに付く初期のアブラムシを抑える

200〜400倍、100〜300L/10a、発生初期に散布

浸透移行性+接触作用で密度を低下

つつじ類(ケムシ類・ツツジグンバイ)

葉を食害する毛虫・吸汁するグンバイの初期防除

200〜400倍、200〜700L/10a、発生初期に散布

食害・葉の白化(グンバイ被害)の進行を抑制

樹木類(つつじ類を除く)(カイガラムシ類)

枝幹のカイガラムシの防除

200倍、200〜700L/10a、発生初期(幼虫期)に散布

薬剤が届きやすい幼虫期に高い効果

4. 使い方・適切な散布/設置手順

  1. 準備物:

    噴霧器、計量カップ、保護具(手袋・マスク・長袖)。有機リン系のため散布時は皮膚露出を避け、風下に立たないこと。


  2. 希釈倍率 or 設置個体数:

    対象により200〜400倍(カイガラムシ類は200倍)。例:400倍なら水1Lに本剤2.5mL。ラベル記載値と異なる場合はラベルを優先してください。


  3. タイミング:

    いずれも「発生初期」が基本。アブラムシは増える前、ケムシは若齢(小さいうち)、カイガラムシは薬剤が効きやすいふ化直後の幼虫期を狙うと効果的です。


  4. 手順ステップ:

    規定量を水に加えてよく撹拌→葉表・葉裏や枝幹にムラなく散布→使用量に合わせて調製し使いきる。


  5. 注意点:

    本剤の使用回数は5回以内(アセフェート5回以内・MEP6回以内、同成分の他剤と合算)。観賞用が中心の登録のため野菜など食用作物には使用しないこと(適用のある剤を使用)。ミツバチ等の有用昆虫・魚類への影響に配慮し、開花期の訪花昆虫活動時の散布や水域への流入を避けます。高温時の散布は薬害リスクがあるため避け、薬害の出やすい植物・品種は事前に確認してください。


作物別適用表(FAMIC農薬登録情報提供システム調査結果ベース)

作物名

適用病害虫名

希釈倍数

使用液量

使用時期

本剤の使用回数

使用方法

きく

アブラムシ類

200〜400倍

100〜300L/10a

発生初期

5回以内

散布

ばら

アブラムシ類

200〜400倍

100〜300L/10a

発生初期

5回以内

散布

樹木類(つつじ類を除く)

ケムシ類

200〜400倍

200〜700L/10a

発生初期

5回以内

散布

樹木類(つつじ類を除く)

カイガラムシ類

200倍

200〜700L/10a

発生初期

5回以内

散布

つつじ類

ケムシ類

200〜400倍

200〜700L/10a

発生初期

5回以内

散布

つつじ類

ツツジグンバイ

200〜400倍

200〜700L/10a

発生初期

5回以内

散布

つつじ類

カイガラムシ類

200倍

200〜700L/10a

発生初期

5回以内

散布

※ 観賞用植物が中心のため収穫前日数(使用時期=収穫○日前まで)の設定はありません。アセフェートを含む使用回数は5回以内、MEPを含む使用回数は6回以内です。「ヨトウムシ」「野菜類」は本適用表には含まれていません。これらの対象には適用のある薬剤をご使用ください。

Tip

カイガラムシは成虫になるとロウ質の殻で薬剤が効きにくくなります。ふ化幼虫が動き回る時期を狙い、200倍で枝幹までしっかりかけるのが効果を上げるコツです。


5. 関連資材との相乗効果

商品名

オルチオン乳剤との使い分け・組み合わせ目的

ベニカS乳剤

オルチオン乳剤とは系統が違う薬剤です。アブラムシやケムシ対策で、同じ薬剤の連用を避けたいときのローテーションに使えます。

オルトラン水和剤/粒剤

オルチオン乳剤と同じく、アセフェートを含む薬剤です。そのため、ローテーション相手にはなりません。使用回数が重なる可能性があるため、ラベルの使用回数に注意が必要です。

ベニカXネクストスプレー

オルチオン乳剤とは異なる系統の成分を含む薬剤です。アブラムシなどの害虫対策で、オルチオン乳剤の代わりに使うローテーション候補になります。

ゼンターリ顆粒水和剤

ケムシやアオムシなどのチョウ目幼虫に使いやすい生物農薬です。オルチオン乳剤よりも、天敵や有用昆虫への影響を抑えたい場面で使いやすい選択肢です。


6. FAQ

Q1:オルチオン乳剤はキクのアブラムシに何回まで使えますか?

A本剤として5回以内です。ただしアセフェートを含む剤は5回以内、MEPを含む剤は6回以内という成分ごとの制限があり、オルトラン剤やスミチオン剤を併用する場合は回数を合算します。詳細は最新ラベルでご確認ください。

Q2:オルチオン乳剤はミツバチや天敵に影響しますか?

A有機リン系(IRAC 1B)の殺虫剤は一般にミツバチ・訪花昆虫や天敵への影響が大きいとされます。開花期の訪花活動時の散布は避け、天敵(カブリダニ等)を導入している場では使用を控えるのが無難です。具体的な影響はラベル・メーカー情報をご確認ください。

Q3オルチオン乳剤を野菜(トマトやキャベツ)のヨトウムシに使えますか?

A使えません。本記事作成時点の適用表はきく・ばら・つつじ類・樹木類(観賞用)が中心で、野菜やヨトウムシでの登録はありません。野菜のヨトウムシには適用のある薬剤(例:BT剤のゼンターリ顆粒水和剤など、対象作物・害虫に登録のある剤)をご使用ください。

Q4効きが悪くなった気がします。どうローテーションすれば?

Aオルチオンは2成分ともIRAC 1Bです。連用で効きが落ちたと感じたら、IRAC 3A(ペルメトリン等)や4A(クロチアニジン等)、ケムシならBT剤(IRAC 11A)など番号の異なる系統に切り替えてください。

Q5:カイガラムシに効きにくいときの見直しポイントは?

Aカイガラムシは成虫になるとロウ質の殻で薬剤が効きにくくなります。ふ化直後の幼虫期を狙い、200倍の濃いめで枝幹までしっかりかけること、散布ムラをなくすことが効果向上のポイントです。

7. まとめ


オルチオン乳剤はアセフェート(オルトラン)+MEP(スミチオン)の2成分を組み合わせた家庭園芸向けの有機リン系殺虫剤で、キク・バラのアブラムシ、つつじ・庭木のケムシ・カイガラムシ・ツツジグンバイに発生初期の散布で効果を発揮します。

希釈は200〜400倍、使用回数は本剤5回以内。2成分ともIRAC 1Bのため連用は避け、別系統とローテーションするのが抵抗性対策の基本です。

野菜・ヨトウムシには登録がない点、ミツバチ・天敵・魚類への影響に注意し、必ずラベル・FAMIC・メーカー公式をご確認ください。



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