展着剤アビオン-Eはどうやって使う? ─イチゴ・ナス・ピーマン・キュウリ・トマトなどの農薬に混用して使うアビオン-Eの使い方を徹底解説!
- 5月11日
- 読了時間: 5分

「散布した農薬が雨で流れてしまい、効果が思ったほど出ない」「薬液がハジかれて葉面に均一に付かない」――。施設・露地問わず、防除作業のあと「効きが悪い」と感じた経験はないでしょうか。こうした"薬液の付着・残存"の悩みを底上げするのが、展着剤と呼ばれる補助剤です。
アビオン-Eは、流動パラフィンを主成分とする油性タイプの展着剤で、農薬の付着性・残効性を高め、雨や潅水による洗い流しを抑える働きを期待して、長年現場で使われてきた補助剤の一つです(製品の登録内容・有効成分組成については最終ラベルでご確認ください)。
本記事では、農薬・肥料・天敵農薬・IPM資材を扱うビオエッグIPM農業ラボの視点から、アビオン-Eの基本情報、現場での使い方、IPMにおける位置づけまで整理します。
注意:使用前に必ずアビオン-Eのラベル・登録情報、混用相手の農薬ラベル、メーカー公式情報をご確認ください。
1. 商品概要
分類 | 展着剤 |
|---|---|
主な対象 | 殺虫剤・殺菌剤・除草剤などの補助 |
主成分 | 流動パラフィン |
使用場面 | 雨が予想される時期、長期残効を狙いたい場面、ハジキやすい葉面(キュウリ・ナスなど)への散布 |
提供形態 | ボトル/缶(容量はメーカー公式情報をご確認ください) |
2. 特長・メリット
2‑1. 油膜による付着・耐雨性のサポート
流動パラフィンを主成分とすることで、葉面に薄い油膜を形成し、薬液の物理的な付着と耐雨性を高めます。
散布後の降雨や頭上潅水による薬剤の流失リスクを抑えたい場面に向きます。
2‑2. ハジきやすい葉面でも広がりやすい
キュウリ・ナス・カボチャなどワックス層が厚い葉や、表面が滑らかな葉では薬液がハジきやすく、薬剤の均一付着が課題になります。
展着剤を併用することで、葉面での濡れ広がりが改善され、散布ムラの低減につながりやすくなります。
2‑3. ハダニ・コナジラミなどへの物理的補助
油性展着剤は、小型害虫(ハダニ類・コナジラミ類・アブラムシなど)の体表に油膜が広がることで、薬剤本来の効果に加えて物理的な補助作用も期待されることがあります(具体的な効果・推奨混用は要確認/ラベル準拠)。
ポイント:
展着剤は「一般展着剤」「機能性展着剤(浸達性・固着性などを強化)」に大別されます。アビオン-Eは油性で固着・耐雨性寄りのタイプとして使われている一方、浸達性重視の機能性展着剤とは役割が異なります。混用相手・目的に合わせて選び分けることが大切です。
3. 導入例
作物名/作型 | 投入目的 | 投入量・時期 | 結果イメージ |
イチゴ (促成栽培) | 灰色かび病・うどんこ病防除薬剤の付着性向上 | 殺菌剤散布時に規定希釈で混用 | 葉面への付着が安定し、散布ムラを感じにくくなった |
トマト (半促成・施設) | コナジラミ・アブラムシ防除薬剤の補助 | 殺虫剤散布時にラベルに従い混用 | 葉裏への薬液の回り込みが向上した |
キュウリ (促成・抑制) | ハダニ防除薬剤の効果安定化 | 殺ダニ剤散布時に規定量を混用 | 葉裏付着の改善、雨後の効果低下の抑制 |
4. 使い方・適切な散布/設置手順
準備物:
散布タンク、計量カップ、防除衣、保護メガネ、混用相手の農薬、アビオン-E、清水。
希釈倍率 or 設置個体数:
用途・作物 | 希釈倍率 | 10Lあたりの量 |
果樹類・茶 | 500〜2000倍 | 5〜20mL |
野菜類 | 500〜1000倍 | 10〜20mL |
花き類・観葉植物 | 500〜1000倍 | 10〜20mL |
小麦・芝 | 500〜1000倍 | 10〜20mL |
アビオン-Eの希釈倍率は混用相手・対象作物によって異なります。ラベルおよびメーカー公式ガイドの希釈倍率に必ず従ってください。
タイミング:
気温が高すぎる時間帯(真夏の日中など)や、ワックス層の弱い若い葉での濃度過剰は薬害リスクが高まるため避けます。早朝・夕方の散布が基本です。
手順ステップ:
タンクに水を半量程度入れる
混用相手の農薬を規定量投入し、よく攪拌
アビオン-Eを規定量加え、再度攪拌
残りの水を加えて最終調整し、すぐに散布
注意点:
強アルカリ性薬剤・特殊製剤との混用適性はラベルでご確認ください(要確認)。
高温・乾燥時、若い葉・花弁・果実への過剰散布は薬害(油焼け)リスクがあります。
散布器具は使用後に十分洗浄してください。
5. 関連資材との相乗効果
資材との組み合わせ | 目的 | 使用タイミング |
ベンレート水和剤 + アビオン-E | 灰色かび病・うどんこ病などの予防散布の付着・残効性向上 | 発生前〜初期発生時 |
ロブラール水和剤 + アビオン-E | 灰色かび病などの防除時の薬液付着性・残効性向上 | 発生前〜初期発生時 |
6. FAQ
Q1:アビオン-Eはどんな農薬と混ぜても良いですか?
A:すべての農薬と混用できるわけではありません。強アルカリ性薬剤や特殊製剤との混用適性はラベル・メーカー公式情報でご確認ください。
Q2:天敵農薬と一緒に使えますか?
A:天敵農薬への影響評価は「展着剤+混用相手の農薬」のセットで考える必要があります。各天敵メーカーが公開する影響評価表をご確認の上、必要に応じて散布間隔を空けてください。
Q3:散布後どれくらいで効果(付着)が落ち着きますか?
A:気象条件によりますが、散布後数時間で乾き、付着が安定するとされています。降雨が予想される場合は、散布から雨までの時間を意識すると安心です。
Q4:果実に直接かかっても大丈夫ですか?
A:作物・時期・濃度によって薬害リスクが異なるため、収穫直前期や果実・花への過剰散布は避け、ラベルに従ってください。
7. まとめ
アビオン-Eは、農薬そのものの効果を底上げするための展着剤として、イチゴ・ナス・ピーマン・キュウリ・トマトなど幅広い作物の防除作業で活用されてきた補助剤です。
耐雨性・付着性を意識した防除設計、IPMでの化学農薬の使用回数最適化と組み合わせることで、より少ない散布回数で安定した効果を目指せます。












